一人で山へドライブに出かけた。この辺りの山にはミヤマキリシマが綺麗に咲き誇るところがあるそうだ。車で細い山道をかなり進んだ。途中の寂れた神社に、参拝する老婆がいた。ミヤマキリシマ?昔はよく見たねぇ……寂れた神社の境内を見て歩いた。もう日も暮れるし帰ろうか。車に戻ると、はて、後部座席に古い着物姿の女の子が座っていた。「おらを探してんのは、おめか?」友達は気味が悪くなり、首を振った。「やっぱりおめだな」びうぅーっと突風が吹くと、女の子は消えた。後部座席には一輪のミヤマキリシマ。 397 今夜が山田 0... 続きを読む
ハコマワシ
2ちゃん書き込んでたらなんか安心してきちゃったんだが、メモ打ってた時は死ぬほど落ちててヤバかった……あー今夜もあの夢見るんだろうなと思うと鬱になる。 半年くらい前、怖い体験をした。心霊現象ではないが、かなり気持ち悪い体験だ。長くなると思うから適当に読み流してくれても構わない。 中学生だった頃、俺のクラスに霊感少女がいた。家が神社だか何からしいのだが、概観は普通の家だったし、クラスのみんなは俺も含めて彼女のことをうそつきだと言って苛めていた。だが、からかい半分で俺の守護霊見て、とか俺の悩み事あ... 続きを読む
風習
従妹が九州の名家ってのに嫁にいって妊娠したら、さみしかろーって、私とか姉とか他の従妹立ちが順繰りに呼ばれたことがあった。夏休みの高い時期なのに飛行機代とかお小遣いまで出してもらって。でも、一人づつで変だとは思ったけど。 家は獄門島とか犬神家みたいに古くて大きかった。九州らしく男尊女卑でゲーって家だったけど若い人は親切だった。とにかく行ったら上げ膳据え膳だしお金バンバンくれるし、料理も酒も旨い着物までもらったり、ねーちゃん玉の輿だなーって従妹連中みんな驚いてた。 そしたら、あとで聞いてびっくり... 続きを読む
S村
昔々、ある小さな小さな村があった。仮にS村としよう。S村はすぐ近くには山菜がよく取れる山や、魚のよく獲れる綺麗な川があって、住むには不自由しない所だった。そんな生活背景からか、自給で殆どを補える為に、塩や米を買う以外は他所の村との交流がなかったそうだ。 ある日、S村の老人が病で倒れた。高熱と嘔吐、激しい咳という症状の病だ。その村には医者が居なく、村の若者が隣の村まで医者を呼びに行った。医者が着いた時にはもう老人は虫の息で、最後に大きくゴホッと咳をするとそのまま亡くなってしまった。2~3日後、お礼の... 続きを読む
お婆ちゃん子
さとし君は小学三年生、大のお婆ちゃん子だった。学校から帰ると、さとし君はいつも二階のお部屋からお婆ちゃんに呼ばれる。たばこのおつかいをたのまれるのだ。五百円玉をわたされて二百五十円のたばこを買ってくると、残りのお金はさとし君へのおだちんだ。やさしかったお婆ちゃん、大好きだったお婆ちゃん。そんなお婆ちゃんが心ぞうの病気で、急に死んでしまった。お婆ちゃんのお葬式が終わって、親せきのおじさんおばさんたちが帰ると、家の中は急に静かになった。さとし君は二階のお婆ちゃんの部屋に行ってみた。夕日がさしこむ部屋の中には... 続きを読む
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