今からおよそ3年前のこと。 その当時、俺は大学卒業を控えて、就活やら研究に追われていたのだが、長い夏休みに入ったので、気晴らしに東北各所を回ってみることにした。 車の一人旅だから気楽なもんで、気の赴くままにぶらりと適当な場所に寄ったり、運転に疲れたら車を止めて昼寝をしたりと、基本的にはプラン白紙のフリーな旅だった。 1日目はひたすら東北を北上して、青森の国道脇にあるコンビニの駐車場で一泊した。 その翌日は市内をぶらぶら歩き、ねぶたを見たり商店街で買い物をしたりして楽しんだ。 2日目の夜。 秋田県のとある道... 続きを読む
消えた金属片
はじめまして。 自分、金属加工業を営んでいるのですが、先日不可解な事がありました。 数ヶ月前より、左手薬指の指先を使って何かを掴むとズキン! と痛みが走るようになっていました。 加工クズなどの切粉がちょうど神経に当たって痛む、というのとは少し違いました。 ……そうですね、切粉のトゲの痛みを、針で付く感じとするなら、この痛みは『痛みの治まった傷口』を圧迫するような痛みでしょうか。 仕事柄、トゲなどの刺さることは日常茶飯事で慣れていたため、放置していました。 先日、その場所から金属片が顔を出していたんですね。... 続きを読む
いっちゃん
妹のこと。 妹が5歳、自分が7歳のとき、伯父が遊びにきた。 伯父をみるなり妹は 「がしゃーんがしゃーん、イタイイタイの伯父さん」 と言いだした。 伯父も両親も俺も( ゚д゚)ポカーン。 そして伯父の右手をつかんで 「あれぇ? お指あるね」 とも。 伯父が工場の機械に挟まれて、右手の指二本切断したのは、その翌月だった。 こういうのは妹には珍しいことじゃなく、 近所の寝たきりのお爺さんが死ぬ数日前も母に、 「○○のお爺ちゃん(寝たきりの人)のお葬式で、ママが黒い服着るのをみたよ。途中で雨ふってきて濡れちゃっ... 続きを読む
巨大な肉塊
小さい頃住んでた借家がうす気味の悪い家でね、近くにお墓がいっぱいあったの。 近所では事故や火事がたくさんおこっててね、近くのタバコ屋やってたばあちゃんの家も火事になったの。 築何百年かという大きい茅葺き屋根のお屋敷でね。 その家にはタバコ屋のばあちゃんと、子供のおばちゃんの2人が住んでたんだけど、2人ともやけど程度で難を逃れたのだけれど、焼け跡から巨大な肉塊が発見されたんだ。 その焼けたお屋敷にはどうやら座敷牢があったらしく、消防団が中に入った時には中でものすごい勢いで燃えてたらしいんだ。 弟の友達のお父... 続きを読む
台風の夜のユンボ
さっき言った様に調度1ヶ月くらい前の事だ。 俺は京都に住んでるんだが、いままでオカルトなんぞに関わった事のない26歳。 そんな話はさておき、俺の住んでるアパートの横では新しく家を建てるとかでその基礎工事が行われていたんだ。 だが1ヶ月前は台風6号だっけ? 四国でそれたあの台風よ。 あの台風のせいで京都は風が強かったり、突然雨が急に降ったりメンドクサイ天気だったんだわ。 ちなみに俺の仕事はドカタだから、しばらく休みになったのよ で、ドカタなもんで、朝作業着で出勤だから、その隣の工事のおっさん共とすぐに仲良く... 続きを読む
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