霊とじいさん

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小学生の頃の話。

祖父母の家は田舎のそこそこでかいお屋敷で、家の周りをぐるっと漆喰の壁で囲まれてたんだ。
道路からは田んぼの畦道を通って裏口から入るのが最短ルートなんだけど、裏口の門の近くの漆喰に、右半身がめりこんだ状態の女性が昼夜問わずにいたんだ。
黒髪で、白っぽい長袖ワンピースみたいな格好で、全体的に薄い。
昼間は我慢できるんだけど、夜はまじで無理!って感じだった。

でもある日、じいさんがグズる俺にキレて、漆喰の壁をバンバン叩きながら
「どこにそんなんがおるんじゃ! わしにゃ何も見えんぞ!」
とか言われた。
その叩いてるとこがまさにめり込み女がいる場所だったんだけど、じいさんが叩く度に壁にめり込んでいって、最終的にいなくなった。
薄いから表情は読めなかったけど、叩かれるとビクッとなりながらめり込む様が面白くて笑った。
じいさんも笑ってた。

高校生になって、なんとなくあの日なんでキレたのか聞いてみた。
じいさん曰く
「おまえの母さんも、子供の頃におんなじ事いっとったんじゃ」
とのこと。
母さんの時はいろんなとこ叩いたらしい。
俺の前で叩いた場所が母さんが泣き止んだ場所だったから、覚えてたんだってさ。

そんな無茶をするじいさんですが、今も庭いじりやらギャンブルやらやって元気にやってます。

479 本当にあった怖い名無し 2009/09/12(土) 19:39:11 ID:8P3zJf8pO

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コメント

  1. 鍋爺 より:

    猛者爺と呼ばせて頂こう

  2. 匿名 より:

    男気あるお爺ちゃん。
    子供大好きなんでしょうね。

  3. 浅島平一 より:

    破天荒!

  4. 匿名 より:

    爺ちゃんかっこいいけど、その女の人は何が目的なんだろう?

  5. 地球人 より:

    めり込みすぎて最後には、家の中入っていく。

  6. より:

    いや…話者の時にすでに半身壁にめり込んだ状態だったのは、お母さんの時に同様に叩かれて埋もれそれきり身動き取れなくなっていたのでは…

    成仏したくても動けず薄くなるまで囚われてた霊可哀想( ノД`)シクシク…

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