A県の山奥に住んでいた、ある一家に起きた話。 もうだいぶ前の話で、当時はまだ薪拾いなんかが普通に行われてたんだな。 その家の主も山に入って色々作業してる人だった。 ある日いつもと同じように山に入ろうと川縁を上ってたら、道端に大きな白い蛇がいたんだと。 そのおじさんは毎日ここで仕事してるわけで、次に遭ったときに草むらで突然噛まれたりしたら嫌だなあと思った。 これから山に入るところだから手元には熊手や鉈やら……道具は揃ってる……いっそ殺してしまえ!と襲い掛かった。 大きな蛇だし毒を持ってるかも分からない、噛ま... 続きを読む
ドライブ
もう十数年前、大学生だった私は、部活の夏合宿(と言う名目の旅行)に出かけ、その帰り、大学の合宿施設の近くに実家のある先輩に誘われて、地元の花火大会を見学していた。 花火大会の後、会場近くの河原で買い込んだ花火を楽しみ、そのまま先輩の車に同乗させてもらい、東京に帰ることになった。 河原で花火を楽しみ、しばらく休んだ後の出発だったので、時間は12時を過ぎて、1時になろうとしていた。 今から考えれば危険極まりないが、若さゆえか誰もそんなことを気にしていなかった。 「先輩、運転疲れたら言ってください、俺ら変わりま... 続きを読む
禍垂
昔、10代の時で、まだしていい事、悪い事の分別もつかない時の話。 中学を出て、高校も行かず、仕事もせずにツレとブラブラ遊び回ってた。 いつものようにツレから連絡があり、今から肝試しに行こうとなった。 俺は昔からそういった事は全く信じておらず、怖い物など無いと言ってのけていた。 二つ返事で了解し、ツレが迎えに来て、さっそく肝試しに向かう事になった。 場所は割と近い山の中のトンネルだった。 メンバーは、血の気が多くリーダーシップのあるTと、10代と言うのにすでに威厳のあるMと、多少幽霊関係にビビり気味の超絶イ... 続きを読む
スケトメの木
私の大学の授業で、各自の地元にまつわる民話や伝承を調べるという課題が出されました。 そのとき友人が、レポートには書けなかった不思議な体験を教えてくれました。 以下、友人の語りです。 私の住む町は、そんなに田舎でもないんだけど一応山がある。 で、その山の中腹あたりには、注連縄が張られた大きな木がある。 それは通称『スケトメの木』と呼ばれていて、なんでも昔、この町に駆け落ちしてきた男女が、そこで自害したとかの云われがあった。 他にめぼしい物件もなかったので、私はレポートのテーマをこの『スケトメの木』に決めて、... 続きを読む
姉の相談
※なんか笑える霊体験の投稿より 最近家をでた姉さんからメールが来ました。 霊で悩んでいるそうです。 姉『オカルトに詳しい弟ちゃんに相談があるのです』 俺『なんでしょうか?』 ※何故かうちでは、家族間でのメールは一文ずつという家訓があります。 姉『最近姉さんの部屋に幽霊が出て困ってます』 俺『それは困りましたね、盛り塩などが効果的です』 姉『どうなるのですか?』 俺『出なくなります』 姉『それは困ります』 俺『なぜですか』 姉『彼が雅治に似たなかなか良い男だからです』 俺『福山も姉さんに呼び捨てされるいわれ... 続きを読む
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