大人のお化け屋敷

私の住んでいた街の神社の夏祭りは結構大きく、いろんな屋台の他にお化け屋敷・バイク曲芸なども来ていた。 なかでも『大人のお化け屋敷』と題された催し物は、私たちの間で「子供は見ちゃいけないくらいグロテスクらしい」と噂になっていた。 お化け屋敷の小屋の外には、かなりいかがわしい絵の看板が打ちつけられていた。 なぜか全裸の下半身が蛸の女とか、化け物に襲われている女の絵もやはり着衣がかなり乱れていていろいろ丸見えだった絵だった気がする。 そして毎年、ノートルダムのせむし男みたいな小男が不気味な客寄せの口上を述べてい... 続きを読む

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K県の廃病院

俺の友達が体験した、ちょっと怖い話を書きます。 俺のじいちゃん、寺関係の仕事してて霊感あるんよ。 俺がガキの頃よくじいちゃんが「とりつかれた時の対処法とか」「立ち寄ってはいけない場所の判断の仕方」とか色々教わって育ったお陰で、じいちゃんレベルとまではいかないけど、それなりに霊感が培われて育った。 親父はそういうのはぜんぜん分からんっていうんだけどな。 で、あれはたぶん5・6年前、すまん記憶が曖昧で覚えてないんだが、とにかく俺の悪友(結構イケメンでスケベ。だが、面倒見がよく、男女わけ隔てなく好かれるタイプ)... 続きを読む

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なぜお赤飯を炊くのか

筆者は若い頃から民俗学が大好きで、宮本恒一の熱狂的ファンを自認し、その真似事をしながら、山登りの途中、深い山奥の里を訪ねて、その土地の人と世間話をしながら、新しい民俗的発見をすることを楽しみにしていた。 かつて、揖斐川の上流に徳山郷 という平安以前に起源を持つ古い村があって、その奥に能郷白山や冠山という奥美濃山地(両白山地)の名峰があり、このあたりの山深い雰囲気に惹かれて何度も通った。今は無意味な形骸を晒すのみの巨大なダム底に沈んだ徳山の里は、筆者の足繁く通った1970年代には、いくつかの立派な集... 続きを読む

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行方知れず

高校生の頃、いつも喧嘩してた妹がいた。 喧嘩といって他愛もない口げんかで、ある程度言い合ったらどちらかが自然と引く。 ニュースであるような殺傷事件には到底至らないような、軽い喧嘩だった。 高校三年の春だった。 成績が凄く落ちてて、志望校に合格するのが危うかった。 そのせいで親の風当たりがきつく、テストが悪い時なんか、一人だけご飯のおかずがニボシだけ、なんてこともあった。 追い込まれていたからか、妹のいつもの態度がやけにイライラしてくる。 何を言われたかは覚えてないが、カッとなって妹に... 続きを読む

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プラネタリウム

長い方です。 大学1年の秋、前日に1日かけて部屋を掃除し、僕は彼女(仮にR)の到着を待っていました。 時間はちょうど正午。 きっかけは3日前、Rが「見せたいものがある」ということで、僕の家に来たいと言ったことです。 Rの持ってくるものも気になりますが、僕にとってもっと重要だったのが、Rが家に来ることそのものでした。 どちらかがどちらかの家に行くのは、初めてでした。 などと考えてるうちにインターホンが鳴りました。 Rでした。 「どうしたの? 顔赤いよ?」 緊張していたのは僕だけだったようで... 続きを読む

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