人が聞いて怖いかどうかはわからないが、当時の私はちょっと背筋が寒くなった出来事。 あれは奥武蔵野のどこかを、日帰りで歩いてきた帰りだった。 晩秋だったのでのんびりしていたら、いつの間にか夕闇が迫ってきていた。 車道に出て、西部秩父線の駅までの道を歩いていた時だ。 車もほとんど通らず、他に通る人もいない沢沿いの曲がりくねった道を独り歩いていて、ふと振り返ると十数人のグループがはるか後方から歩いて来るのが見えた。 やはりどこかの山へ登ったハイキングの人たちかと思い、はじめは気にも留めなかった。 ところが... 続きを読む
急行銀河
これは昔、俺が予備校行ってた頃の教師から聞いた話。 まだ急行銀河が20系客車で運用されてた頃、東京の実家に帰省していたその教師は、銀河で京都の大学に帰ろうとしていたら、たまたま高校時代の友人Aと出会った。 Aも神戸の大学に通っていて東京の実家に帰省していたんだが、同じように銀河で帰ろうとしていた所だった。 久しぶりの再会でテンションが上がった二人は、キオスクで酒を買ってから銀河に乗り込んだ。 しかし11時半だったか12時頃だったかになると消灯してしまった。 その教師は鉄オタだったため、緩急車の車掌室に入... 続きを読む
烏名
俺の生まれて中2まで住んでいた土地の風習の話。 そこは京都に比較的近い場所にある山あいの村(現在は市の一部)だけど、裏山には謀反の疑いをかけられて逃げてきた皇子が隠れ住んでいたという言い伝えがあり、実際に600mくらいの山の中腹には、岩屋というか室のようなものが残っている。 ひさしのような大きな岩が張りだしていて、中は頭をかがめないと入れないくらい。 入り口がすぼまっていて奥行きは7~8mくらいかな。 村では俺が小さい頃までは月当番を決めて、奥にある神棚に火を入れたりお供えをしたりすることをやっていた。 ... 続きを読む
ぼうなき
ぼうなき(様?)って知ってる? 想像以上にマイナーな行事だったんで、地元から出て話題にしたとき誰も知らんかった。 有名なS神社で行われる七五三の続きの様な行事で、十歳前後の女の子が受けることがある。 妹がこれに参加した時は、正座して頭を下げて、祓いため清めたまえみたいな祝詞っぽい物を聞かされただけだった。 この時は妹が一緒がいいって言うんで、母に参加を強要されたからなんとなく覚えてる。 今にして思えば神主にしては変なこと言ったんだよね。 「ご先祖様が心配するから、お盆の前にはまたおいでね」 これだけだと全... 続きを読む
異次元の水
6年前の8月早朝に不思議なものを見た。 朝帰りで下り電車を降り、駅を出て家路に向かって歩いている時のこと。 6時過ぎだったが通りには人気は全く無く自分だけ。 銀行とテナントビルの間の石畳の道に差し掛かった。 よく晴れた朝なのに前方から流水音がするので見ると、あり得ないものがあった。 何も無いはずの空間に丸い穴が開いていて、そこから透明の液体が流れ出ていた。 穴は正円に見えた。 直径30~50cm位だったと思う。 高さは2階~3階くらいの位置。 見間違いじゃないのかとキョロキョロ周囲を見回すも、納得がいくよ... 続きを読む
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