うちの頑固爺さんの話。 爺さんが生きてる間は全然そんな話しなかったんで、葬式後の親戚との話で聞いた。 親戚が集まって、いわゆる故人を偲ぶってやつ。 爺さんは婆さんを嫁にもらうとき、婆さんの実家に挨拶に行ったんだが、当時は戦前でまだまだ変な風習のある田舎が多かったらしい。 婆さんの実家で正面から入れずに、裏から家の中に上がらされたりしたんだと。 爺さん激怒して 「何でこんな馬鹿なことをやっとるんだ!」 と、義理の両親になる人に対して突然説教を始めたそうな。 婆さんの両親が「縁起が悪い」とか「バチが当たる」と... 続きを読む
土用坊主
子供の頃に住んでた地方に伝わる「土用坊主」の話。 土用は年4回あって、この土用の入りから節分(新暦2月の豆撒きが有名だがこれも年4回)までの約18日間は、草むしりや庭木の植え替えその他、土いじりをすることは忌まれていた。 この風習は中国由来の陰陽五行説からきたようだが、この期間に禁を破って土いじりをすると、土用坊主という妖怪というか土精のようなものが出てきて災いを為す、と言い伝えられてた。 土用坊主の姿はあいまいで、土が固まって人型になったものという目撃談が多いようだ。 ただ別伝承の中には、土の人型がだん... 続きを読む
かあちゃんの藁人形
ある意味怖く、ある意味笑っちゃうような話なんだが…… 俺が高1の時の話だ。 この頃はもう両親の関係は冷え切ってて、そろそろ離婚かな? って感じの時期だった。 俺はと言えば、グレる気にもなれず、引き篭り気味の生活を送ってたっけ。 授業が終わると、真っ直ぐ家に帰って自室に直行。 飯も自室で一人で食ってた。 でだ、見ちまった。 母親が夜中に、庭の立ち木に何かを打ち付けているのを。 直感的に、親父の藁人形? と思ったが、その場では確認しなかった。 っちゅーか動揺しちまって、こそこそ逃げ帰るように自室に戻った。 見... 続きを読む
霊感は移る
私の実体験です。 大学時代に、横浜の◯内駅前のファミレスで夜勤調理のバイトしてました。 一緒に働いているバイトで二名、いわゆる見える人がいて、その二人(AとBにします)曰く、そのファミレスは霊の通り道なのだそうです。 私は初めは信じていなかった、というかビビりなので信じないようにしていたのですが、ある時Aと二人でキッチンで働いている時に、Aが食器洗浄機を動かしている時に 「邪魔すんな!」 と叫びました。 私はAとは別の事をしていて離れていて、特に会話もしていなかったのでどうしたのか聞くと、五歳ぐらいの子供... 続きを読む
背乗り
俺の住んでいる街にも、地方都市でありながらそんな話がある。 一昨年亡くなった爺さんから聞いた話。 俺の街では空襲で1,000人以上が死んだ。 特に当時本家のあったあたりは酷くて、一家まるごと焼け死んだ家も少なくはなかったらしい。 隣近所でも、遺体がどれだか判らなくて、とりあえず亡くなったという事になっている人や、生死不明のまま実家に引っ越して行ったと思われる人など様々だったらしい。 昭和30年代になって、爺さんが隣県の縁者の結婚式に出席したときに、空襲前まで隣に住んでいた人と偶然再会し、懐かしい昔話に花を... 続きを読む
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