みなさん、初めまして。 「つりさがり」というものをご存知でしょうか? おそらく初めて耳にする言葉だと思います。 昭和44年の頃でした。 青森県の某霊山で、この「つりさがり」の伝説を聞いたのが最初のことでした。 霊山の奥深くに真昼でも薄暗い森があるのですが、そこの木々に茶巾袋をいくつも吊り下がっていdsるところがあります。 これらの茶巾袋の中には、お茶の葉のようなものが入っており、香りがしごく良いものです。 これが「つりさがり」と呼ばれたのは、かなり昔のことらしいのです。 3年前に他界した祖母から聞いたので... 続きを読む
呪われた村
つい先日の話。 仕事で東北の本社に転勤になった。 生まれも育ちも関西で東北の事なんてまるでわからない俺に優しく色々と教えてくれた先輩がいた。 名前を皐月さんといい、長い黒髪が印象的な可愛い人だった。 ある日、遅くまで残業していた俺と皐月さんは途中で仕事を切り上げて夕飯を食べに行くことになった。 散々迷った挙げ句、港に近い居酒屋に入ることに。 暫らく呑みながら雑談をして、俺はずっと気になってた事を尋ねた。 「皐月さんは彼氏とかいないんですか?」 彼女は目を暫らく伏せるとためらいがちに答えた。 「いない……わ... 続きを読む
ヒャクセイ
自分的に死ぬかと思った話。 去年の夏休み、秋田のド田舎村に帰省したときの話です。 辺りは水田や畑ばかり。 大学で生物の研究をしてる私はカエルや蛭を探そうと猛暑の昼、水田へ向かった。 自転車で向かう途中、道のド真ん中にオッサンが倒れて手足をバタつかせていた。 日光浴かと思い近付くと笑っている、ひたすらゲラゲラ笑っている……、涎を垂らし笑いながら手足をバタつかせている。 嫌なもん(知的障害者かと思った)見たと思い、帰宅しました。 その後、何故か村中騒ぎになった。 爺ちゃんが「その人はヒャクセイ(ヒャクショウ)... 続きを読む
箱罠
秋田・岩手の県境の山里に住む、元マタギの老人の話が怖くはないが印象的だったので書く。 その老人は昔イワナ釣りの名人で、猟に出ない日は毎日釣りをするほど釣りが好きだったそうだ。 しかし、今は全く釣りをしなくなったのだという。これには理由があった。 あるとき、大きな淵で片目が潰れた40センチを優に超える大イワナを掛けたが、手元まであと少しというところで糸を切られてしまった。 マタギの老人は地団駄踏んで、いつか仕留めてやると心に誓ったそうだ。 季節は流れ、夏になった。その年は天候が不順の年で、郷では近年稀に見る... 続きを読む
途絶える言葉
たまに覗かせてもらってます。 ちょっとした事を知っているので、それを書き込んでみます。 いないとは思いますが、声出して私の文章を読むようなことは止めて下さい。(長くなるのでそんなことする人はいないと思いますが) 「死語」という言葉がありますが(私もいい年なので知らずに使ってたまに恥ずかしい思いをしていますorz)、それとは別の意味の「死」を意味する言葉というのをご存知でしょうか? 「呪い」とか「祈祷」の類ではなく、かといってその言葉を発したところで誰か「死ぬ」とか発した本人が「死ぬ」というわけではなく、た... 続きを読む
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