俺が小坊だったころ駅の近くにあるタバコ屋の前に「10円ババア」つうのがよく出没した。 まぁ所謂「10円くれよ」つって手のひら出して迫ってくるって奴だ。 色々な生徒が何度か目撃してたが最初はビビって本当にあげた奴もいたが、何回か遭遇するうちに馴れてみんな無視するようになった。 そういう俺自身も2、3回せがまれたんだがそのころには上の対処法が一般化してて無視して通り過ぎてた。 そんなある日、友人が俺の家に遊びに行きたいというので二人で俺ん家に向かってるとタバコ屋の前で10円ババアとバタリと遭遇した。 例の如く... 続きを読む
人怖
六甲ドライブ
幽霊ではなく人間でしたが、年月が経つにつれ自信がなくなっていく思い出です。 俺が19歳の頃の話です。 高校は卒業していましたが、これといって定職にもつかず、気が向いたら日雇いのバイトなどをしてブラブラしていました。 その頃の遊び仲間は高校の時の友人グループがいくつかあり、その日もその内のひとつのグループの奴の家に集まり、だらだらと遊んでいました。 そのグループの連中は、地元では結構有名な悪い奴らの集まりでした。 俺はケンカも弱いしバイクも持っていなかったけど、そのグループのリーダーが幼馴染で家も超近かった... 続きを読む
友人とメモリカード
去年の4月、学生時代の友人が私のところへ遊びに来ることになりました。 彼は東京に就職して現在も独身、私は前年に結婚して夫婦で京都のマンションに住んでいました。 その日はたまたま家に私だけしかおらず、彼はうちを宿にするつもりでした。 待ち合わせ場所に彼が来ました。 コーヒーを飲みながら近況を話すうちに、ふと学生時代のことに話が及びました。 数年前まで京都の大学へ通っていた私たちでしたが、学生の間、彼は御所へ一度も行ったことが無かったそうです。 御所は待ち合わせ場所から近かったので、それなら一度散歩でもしよう... 続きを読む
モンペの女
小学生の頃の話だ。 札幌のとある古い町に住んでいた頃、ガキ共の間ではたまり場となっていた公園があった。 その公園は河川敷にあり『ちょうえい橋』という古い橋がかかっていた。 その橋は人は渡れるが専用歩道がない橋で子供が渡るのはとても危なく、渡らないようにとよく親に言われていた。 しちゃいけないことをするのが子供ということで俺たち悪ガキ共はその橋をよく渡っていた。 その橋を渡るともうひとつの公園があり、ここも川の向こうの地域の街のガキ共のたまり場となっていた。 俺達は向こうのガキ共と喧嘩をする為によく遠征と称... 続きを読む
危険な好奇心(3)
危険な好奇心(2)の続き それから5年。。。 俺・慎・淳はそれぞれ違う高校に進んでいた。 俺達はすっかり会うことも無くなり、それぞれ別の人生を歩んでいた。 もちろん『中年女』事件は忘れることが出来ずにいたが、『恐怖心』はかなり薄れていた。 そんな高一の冬休み、懐かしい奴『淳』から電話が掛かってきた。 「おう! ひさしぶり!」 そんな挨拶も程ほどに、淳は 「実は単車で事故ってさぁ……足と腰骨折って入院してんだよ」 「え?! だっせーな! どこの病院よ? 寂しいから見舞いに来いってか?」 「まぁ、それもあるん... 続きを読む
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