子供の頃、近くの山が遊び場で、毎日のように近所の同世代の友だちと一緒にそこで遊んでた。 この山の通常ルートとは別の、獣道や藪をつっきった先には、謎の廃屋があり、俺たちにしてみれば格好の遊び場だった。 小さな山だったから、俺たちは道のあるとこ無いとこ全て知り尽くしていた。 山はある意味、俺たちがヒエラルキーのトップでいられる独壇場だった。 しかし、俺たちにも天敵がいた。それが”けんけん婆あ”だ。 廃屋に住み着いているらしい年取った浮浪者で、名前の通り片足がなかった。 けんけん婆あは、... 続きを読む
人怖
玄関前の粉
怖い思いをして実害もあった話。 夜遅くに仕事から自宅のマンションの部屋に帰ったら、玄関の前に粉が落ちてた。 なんだろうと思って屈んだところ、玄関ドアの異常に気づいた。穴が空いてた。 爪楊枝が2本入るくらいの小さな穴で、位置的には腰くらいの高さ。貫通はしてない。 粉はその穴の下に落ちてる。その穴を開けた時の粉末みたいだった。 しかもよく見たら一つじゃない。蝶番の近くと膝くらいの高さに一つずつで合計三つ。 ピッキングか何かだったら怖いと思ったけど、部屋は無事だし、その日はチェーンロックして就寝。 残業で疲れて... 続きを読む
埋設工事中の出来事
今から15年くらい前かな。 当時、親戚が水道設備を営んでいた。 俺はそこで短期バイトしてたんだが、ある一軒家に社長(親戚)、社員A(社長の息子)、社員B、俺の四人で浄化槽の埋設工事に行ったんだ。 そこは他県のある村、というか住宅が数十棟ぐらいしかない小さな集落みたいな感じのところ。 で、午前中は浄化槽を埋めるための大きな穴を掘る作業した。 施工主は留守で、10時になったから休憩のために皆で現場近くの小川に横一列に腰掛けて、買っておいた缶コーヒー飲んでたんだ。 社員Bが穴掘ってる時に小さな動物の骨がたくさん... 続きを読む
海は怖い
この話は実話なんです。 最初は『海にまつわる』のスレに書こうとも思ったのですが、ちょっと『怖さ』の対象が違っているかな?と思い、こちらに書く事にしました……。 もう10年前に遡りますが、ふとしたきっかけで俺は水中写真に興味を持ち「じゃ、ダイビングから始めよう」と、とある四国のショップで講習を受け、機材も取り揃えました。 同じ時期にダイビングを始めたO夫妻と知り合い、その縁で仲間も増え楽しくダイビングライフを堪能していました。 O夫妻、特に御主人の方と俺は、若い頃に同じ様にヤンチャしていた時期があり、まるで... 続きを読む
猿ジイ
私が小学生の頃、通学路の途中に子供たちから『猿ジイ』と呼ばれる変質者が住んでいた。 変質者と言っても年中寝巻きみたいな格好で、登校中の小学生の後ろをブツブツ言いながら5メートルくらい離れてフラフラついていくという程度で、気味は悪いが実害はなかった。(少なくとも私に対しては) 赤ら顔で禿げていて、いつも前屈みだったから猿ジイというあだ名で呼ばれていた。 その猿ジイが、ある日を境に姿を見せなくなった。 クラスメートたちは口々に 「逮捕された」 「精神病院に行った」 「死んだ」 などと噂していた。 私も猿ジイは... 続きを読む
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