風習・因習にまつわる怪異

... 続きを読む

人気ブログランキング

船流し

昔の話なんだけど、夢に出てきて思い出してしまったので投下。 故郷では初盆に舟を海に流す風習がある。 精霊流しと似てるけど別の行事。 幼児なら寝そべることができそうな大きさの木製舟で、新しい白装束とわらじ、盆菓子や果物などを入れて、舟の周囲に枠を組んで多数の小提灯で飾り立てるんだ。 流したときに提灯の火が燃え移って炎上したり舟が沈むととても縁起が悪いので、提灯の飾りつけには細心の注意が必要になる。 縁起が悪いとされているだけで、特に何かが起こるわけじゃないけどね。 俺が小さい頃に、祖母が亡くなったので舟を流... 続きを読む

人気ブログランキング

紙を破る

子供の頃いた実家に変わった風習? があってな。 家庭毎に微妙に異なるのもあるけど、共通するのは「人」って書かれた紙を年の数だけ破るってもの。 「人」の数も年の数だけ書く。 そして破る時は手で、「人」の字が破れないようにするんだ。 TVのCMとか、暇な時にチラシとかメモ帳に書いてやるように習慣付いてたんだけど、毎年10月の2週目頃に本番みたいなのをやるんだ。 やるのはいつも夜で、習字で使うような和紙を使ってた。 最初は子供からやって、最後は爺婆がやる。 終わった後は特に何かある訳じゃなくて、田んぼの様子をみ... 続きを読む

人気ブログランキング

送り番

子どもの頃、ひい爺さんから聞いた話を書きます。 ひい爺さん(以下爺さん)は明治の早い時期の生まれで、しかも山村で育ったためいろいろと奇妙な風習を知っていて、自分が子どもの頃によく話してくれました。 爺さんの村では送り番という役回りがあり、これは三軒ひと組で回り番で当たる遺体の埋め役のことだそうです。 当時爺さんの村はまだ土葬で、寺で葬式を行った後に、遺体の入った棺桶を荷車にのせて村はずれにある墓域まで運ぶのです。 村の顔役や男手のない家では代わりを頼むこともできましたが、葬式では酒も振るまわれ些少の礼金も... 続きを読む

人気ブログランキング

ゴギョウ様

俺がまだ消防だったころ、母方のじっちゃんの田舎で体験した洒落にならん話。 口止めされていたけど、もう爺ちゃんが他界して十年くらいになるから話す。 関わりたくない人は、読まない方がいい。 話していたら大体バレちゃうから伏せても仕方がないんだけど、じっちゃんは東北地方の、ある町の生まれだ。 このじっちゃんは変わった人で、じっちゃんの癖に好き嫌いが激しい。 特に驚いたのは、ご飯が好きなのにお粥は大嫌いだ。 宗教も大嫌い。 父が新興宗教にハマっていたこともあって宗教嫌いになっていた俺は、身勝手に振る舞うじっちゃん... 続きを読む

人気ブログランキング

だんだら焼き

小学校の6年生のときの話。 うちの地方では小正月の1月15日に近い土曜日の夕方に、『だんだら焼き』というのをやる。 他のとこでは『どんど焼き』と言うことが多いだろうけど、それのなまった形だと思う。 青竹と藁を組んだやぐらを燃やして、そこで注連飾りや古くなった御札類を焼く。 当時俺は書道の塾に行ってて、そこの生徒達は正月の4日に強制的に書き初めをさせられ、新しい年の目標を書いたのを焼くことになってた。 だんだら焼きは地区ごとに町の4ヶ所でやるんだけど、書道塾の仲間は違う地区のやつでも、本町の神社前でやるメイ... 続きを読む

人気ブログランキング