風習・因習にまつわる怪異

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烏名

俺の生まれて中2まで住んでいた土地の風習の話。 そこは京都に比較的近い場所にある山あいの村(現在は市の一部)だけど、裏山には謀反の疑いをかけられて逃げてきた皇子が隠れ住んでいたという言い伝えがあり、実際に600mくらいの山の中腹には、岩屋というか室のようなものが残っている。 ひさしのような大きな岩が張りだしていて、中は頭をかがめないと入れないくらい。 入り口がすぼまっていて奥行きは7~8mくらいかな。 村では俺が小さい頃までは月当番を決めて、奥にある神棚に火を入れたりお供えをしたりすることをやっていた。 ... 続きを読む

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ぼうなき

ぼうなき(様?)って知ってる? 想像以上にマイナーな行事だったんで、地元から出て話題にしたとき誰も知らんかった。 有名なS神社で行われる七五三の続きの様な行事で、十歳前後の女の子が受けることがある。 妹がこれに参加した時は、正座して頭を下げて、祓いため清めたまえみたいな祝詞っぽい物を聞かされただけだった。 この時は妹が一緒がいいって言うんで、母に参加を強要されたからなんとなく覚えてる。 今にして思えば神主にしては変なこと言ったんだよね。 「ご先祖様が心配するから、お盆の前にはまたおいでね」 これだけだと全... 続きを読む

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風習を絶つ

うちの頑固爺さんの話。 爺さんが生きてる間は全然そんな話しなかったんで、葬式後の親戚との話で聞いた。 親戚が集まって、いわゆる故人を偲ぶってやつ。 爺さんは婆さんを嫁にもらうとき、婆さんの実家に挨拶に行ったんだが、当時は戦前でまだまだ変な風習のある田舎が多かったらしい。 婆さんの実家で正面から入れずに、裏から家の中に上がらされたりしたんだと。 爺さん激怒して 「何でこんな馬鹿なことをやっとるんだ!」 と、義理の両親になる人に対して突然説教を始めたそうな。 婆さんの両親が「縁起が悪い」とか「バチが当たる」と... 続きを読む

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土用坊主

子供の頃に住んでた地方に伝わる「土用坊主」の話。 土用は年4回あって、この土用の入りから節分(新暦2月の豆撒きが有名だがこれも年4回)までの約18日間は、草むしりや庭木の植え替えその他、土いじりをすることは忌まれていた。 この風習は中国由来の陰陽五行説からきたようだが、この期間に禁を破って土いじりをすると、土用坊主という妖怪というか土精のようなものが出てきて災いを為す、と言い伝えられてた。 土用坊主の姿はあいまいで、土が固まって人型になったものという目撃談が多いようだ。 ただ別伝承の中には、土の人型がだん... 続きを読む

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ナガレボトケ

海専門の民俗学教授から聞いた話。 海難法師だとか海の向こうから流れてくるモノを忌み畏れる風習っていうのは農耕民族的な考え方で、本来は漁民から発した価値観ではないらしい。 むしろ漁民は古来、漂流して来るモノはすべて海神からの授かり物として歓迎するのが一般的だった。 たとえばそれが水死体であっても。 ナガレボトケといって、漁中に漂流死体を見つけると、漁師は作法にしたがって船に引き揚げて陸地へ持ち帰り、手厚く葬ると大漁をもたらしてくれるので、これに出会うととても喜んだという。 中にはナガレボトケを拾った事を他の... 続きを読む

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