大学のときに死んだ祖母が、よく小額(と言っても三十万とか五十万とか)のレベルで宝くじを当てていた人で、親に内緒でお小遣いとか貰って旅行に行ったりしてました。 そんな感じで相当な小金もちだったはずの祖母だったんですが、突然死んだ時は悲しいと同時に、親戚連中の遺産の取り合いとかそういうのを軽く想像してしまって、かなり欝になりました。 ところが、蓋を開けて見たら親戚連中、遺産を取り合うどころか、 「これはお前が持っておけ」だの、「いやいやこれはアンタの所の取り分だ」 だの、互いに形見の押し付け合い。 金銭も含め... 続きを読む
黄昏の少年
今年33歳になるが、もう30年近く前の俺が幼稚園に通ってた頃の話です。 昔はお寺さんが幼稚園を経営してるケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。 今にして思うと、園の横は納骨堂だったし、その隣は古い墓地だった。 夕方、幼稚園の遊具で遊んでいた。外には俺一人だった。 室内には何人も人がいたんだと思う。でもそのときは、何故か俺一人だった。 ジャングルジムの上に人が座っていた。男の子だった。 黒の半ズボンに、黒い金ボタンの上着を着ていた。裸足だった。 坊主頭で、小学生くらいだったんだろうか。すぐ自分より2つ... 続きを読む
墓地側の森林
私が中学生だった頃の話です。 ある夏の日、学校で友達のAに「肝試しに行かないか」と誘われました。 私は特に断る理由もなく、面白そうだったので行ってみることにしました。 放課後、部活も終え、家に帰って私服に着替えた後、私はその目的地に行きました。 その場所は、町外れにある墓地の側の森林でした。 なかなか嫌な場所だな…… そう思っていましたが、後で思うとこの時の私はなんて軽率だったのかと感じます。 墓地にはAと、彼に誘われたBとCが既に来ていました。 私はそのメンバーを見て来なきゃよかった、と思いました。 私... 続きを読む
色街
この話は何年か前に他の板で書いた話に後日談を加えたものです。 過去スレが読めなくなっているので書き直しました。 時間が経ったのでディテールが若干変ってしまっているかもしれません。 それと、個人特定を避ける為に事実に手を加えた部分もあるので、以前書いたものと矛盾点もあると思います。 関東の某所に旧赤線地帯として有名な町が在った。 「在った」と過去形なのは、その町にあった売春街は数年前に行政の手によって完全に壊滅し、終戦から半世紀以上の歴史に幕を下ろしたからだ。 私はその地域にある某大学に通っていたが、卒業後... 続きを読む
道真の末裔
これウチの話ね。 幽霊とかそういう話じゃないが、気持ち悪いのでここで書かせてくれ。 ウチ(正確にはウチの母方の家)は某県の旧家なんだけど、本家が二つある。 「ホンケ」と「ホンヤ」と言って使い分けてるんだけど、県の北部にいくつかある菅原道真の末裔の家。 詳しく書くと素性が割れるので書かないが、各家にいくつか伝説があるんだよ。 (別に家同士親密なつながりがあるわけじゃないが) 有名なのが「三穂太郎」の伝説で、とにかく大きな人がいたらしい。 あと別の家には「敷地内で白ヘビを見ると幸福になる」という伝説。 よくわ... 続きを読む
最近のコメント