もう10年くらい前、俺がまだ学生だった頃の出来事。 当時友人Aが中古の安い軽を買ったので、よくつるむ仲間内とあちこちドライブへ行っていた、その時におきた不気味な出来事を書こうと思う。 ある3連休、俺たちは特にすることもなく、当然女っけもあるわけもなく、意味も無く俺、A、Bで集まってAのアパートでだらだらとしていた。 そしてこれもいつものパターンだったのだが、誰と無くドライブへ行こうと言い出して目的地もろくに決めず出発する事になった。 適当に高速へと乗ると、なんとなく今まで行った事の無い方面へと向かう事にな... 続きを読む
神社が夢に出る
嫌な話で申し訳ない。 二十年ほど前、当時俺は大学生で、夏休みに車で田舎の実家に帰省していたときだった。 その時はいつも帰省時に通ってる道とは別の道を通っていった。 見渡す限りの山や田んぼに囲まれた、いかにも田舎って感じの道をしばらく運転していたとき、少し先の山の入り口みたいなところに赤い鳥居が建っているのを見かけた。 とても寂れた雰囲気がよかったので、車を停めて、ぶらりと立ち寄ってみることにした。 赤い鳥居をくぐると、勾配のきつい石段があり、山の上の方まで続いていた。 人気は全くなく、周りは木々に囲まれ、... 続きを読む
郷里の妹
学生運動のあった時代というので、70年代の頃 の話だろうか。 N君は極めて真面目な学生で、学内をヘルメット姿の学生たちがヤクザまがいに闊歩しているのを避けながら、こつこつと勉学に打ち込む純朴な青年であった。 数に物を言わせて頭でっかちな論争を吹っかけてきては興奮して騒ぎ立てる連中とは違って人当たりもよく、彼は教授たちにも可愛がられていたという。 ただどことなく。 線が細いというか、か細いというか、どことなく何かが弱い印象があったという。 影が薄いというのだろうか。 ある日、N君が憔悴しきったような顔でふら... 続きを読む
そば殻の枕
ウチの母から最近聞いた話。 当時18とかそこらの母は、ちょっと距離のあるところで就職してた。 百貨店の接客と長時間通勤で精神と肉体の疲労は半端なく、常に肩こりが酷かったらしい。 熱い風呂とマッサージで誤魔化してたけど、流石に限界がきたらしく整体へ行くことに。 整体の先生が施術しながら、ここのコリが酷いとか片足に体重かけ過ぎだとかをお説教してきて、すこしうんざりしてたんだけど「枕が合ってない」って言われてドキン!とした。 そんなに裕福じゃなかった母は、昔から重ねた本にタオルを巻いて枕代わりにしてたらしく、そ... 続きを読む
でんわ
高校に入学して直ぐに、クラス内のちょっとしたトラブルに巻き込まれ不登校になった。 昼間は家で、テレビを見たりゲームをしたり年の離れた弟の面倒を見て、夜は近所の公園に行ってスケボーをしたり、友達の家に遊びに行ったりしていた。 ある時、いつものように弟と二人で飯を食いながらタモリを見ていた。 母親は確か病院とかで、家には弟と二人きりだった。 飯を食い終わりボーっと小堺を見ていると、弟が突然 「あ、でんわ。でんわしなきゃ」 と言い出した。 その当時弟は4歳。 「え? どこに? 誰に?」 と聞くが、 「でんわ、で... 続きを読む
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