海の話です、かね? 漁村を見下ろす丘の上には、小さな林と『軍人御殿』と呼ばれる古いお屋敷がありました。 お屋敷は平屋ですが、別に土蔵もあり、白壁で囲まれていました。 後ろに林、前には海を一望しています。 その屋敷は、戊辰戦争の時に功績をあげた軍人が別荘として建てたものだと言い伝えられていました。 その軍人が亡くなったあと、家族からその別荘は忘れされたように使われることはなく、人手に渡りました。 地元の金持ちや代議士などが住みましたが、数年、長くても十数年住んだあと手放してしまいます。 別にその屋敷に住んだ... 続きを読む
長い豚の肉
15年くらい前に爺ちゃんから聞いた話。(うろ覚え) 爺ちゃんは日中戦争でシナに配属されてたんだけど、太平洋戦争が始まって南方に派遣されたらしい。 その時の南方の島(オセアニア周辺か?)での話。 爺ちゃん達の支隊が島を調査していると、現地民の集落を発見。 おそるおそるピジン・イングリッシュで話しかけてみると、通じたので一安心。 現地民は好意的で、お祭りを開いて歓迎をしてくれると言う。 日本軍は南方では漁を教えたり、畑を作ったりしていたので、原住民から歓待を受けることは結構あったらしい。 (なんか来訪神信仰と... 続きを読む
赤いシ○ック
自分は今まで心霊体験なんか全くなく、30数年を過ごしてきました。 今から6年前の4月、仕事で博多に長期出張の間に経験した出来事です。 自分にとって初めての長期出張。 仕事は営業マンでけっこう給料も貰っており、住まいも博多駅から歩いて5分。 全○空ホテル斜め前の交番を少し入った公園の向かいのマンション。 立地もいいし家賃はほぼ会社持ちで、とにかく毎日のように浮かれて、中洲や博多駅近辺で呑んで騒いで、福岡を満喫していました。 その頃自分は、携帯の出会い系サイトや伝言ダイヤルみたいのを使って、『東京から来ました... 続きを読む
大宮さん
昨日の話です。 いま四国の田舎に帰ってきてるんですが、姉夫婦が1歳の娘を連れてきてるんだけど、夜が蒸し暑くてなかなか寝付いてくれなくて、祖父母、父母、姉夫婦、俺、そしてその赤ちゃんの8人で、居間で夜更かししていた。 田舎は海沿いの古い家で、庭に面した窓からは離れが母屋の明かりに照らされて浮かんでいて、それ以外には姉夫婦の車が見えるだけ。 海沿いなので網戸越に波うちの音が聞こえて、蒸し暑いけど田舎の心地よさに包まれていました。 皆でお茶を飲んで語らっていると、姉はiPadを持ち出してきて、 「面白いもの見せ... 続きを読む
山童
システムエンジニアをやっていた知人。 デスマーチ状態で、残業4-5時間はザラ、睡眠時間は平均2-4時間。 30過ぎて国立受験生みたいな生活に、ついに神経性胃炎と過労で倒れ、そのまま内科で軽度の鬱病と診断された。 会社も流石に悪いと思ったのか、5日間の休暇と、賞与を結構たっぷりくれたらしいが、彼は本格的に鬱病になりかかっていたらしい。 やったことがある人はご存じの通り、鬱は気晴らしや運動などで直ってしまう場合もあるが、鬱病はれっきとした神経伝達異常で、幸せを感じる回路が接続不良、不安や悲しみ回路が増大という... 続きを読む
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