中学の時の地元での話。 うちの地元の神社では変な神が祀られていた。 神の名前はメジャーじゃない、聞いたことのないもの。 『カラコロシ』。 何でも地元にだけヒッソリと伝わってきた伝説のため、外部の人間は知らないし知る由もないらしい。 このカラコロシ、伝説と悪い噂があるのだがこれがまた面倒くさい。 伝説は鎌倉時代にまで遡る。 当時、村にとても忌み嫌われてる若者がいた。 若者は嘘とも本当ともとれない自慢話を毎日毎日うるさいくらいしていたからだ。 自慢話をうるさく感じていた村人たち。 ついに怒りは爆発し、村の男全... 続きを読む
集落の謂れ
うちの一族はもともと九州南部の山間の小さい集落に住んでいた一族で集落の名前(地名)=一族の苗字、集落全体が親戚って感じです。 そんなうちの一族に伝わる不思議な話です。 もともと別の土地に住んでいたらしいのですが戦に追われ、一族郎党でその山に逃げ込みました。 着の身着のままで上は老人、下は乳飲み子で食べるものもなくなり、山中で精も根も尽き果ててあたりも暗くなり、もはやこれまでか……とみんな諦めかけたそうです。 すると闇の中から人影が現れ言いました。 「こんな夜中に幼子を連れて山に居る輩がいるといわれて様子を... 続きを読む
夜の散策
僕には未だに忘れらない不思議な体験があります。 今から7年前の秋の出来事です。 仕事を家に持ち帰った僕は、その夜、自室で書類の山と格闘しておりました。 ようやく半分ほどを片付けたところで、時計を見れば夜中の1時を過ぎておりました。 僕は気分転換のため、ぶらりと夜の散策に出かけることを思いつき、寝静まった家族を起こさぬようガレージから自転車を引きずり出しました。 深夜の国道170号線をひたすら南へ下り、途中、近鉄古市駅に差しかかったところで東に折れ、聖徳太子ゆかりのお寺があることで有名な奈良県太子町の方向へ... 続きを読む
黒い布
なんつーかこう、ヒドい車酔いした時みたいな気分になった話だけどいいかな。 モヤモヤして気持ち悪いから聞いて欲しい。 ほっとんど会った覚えのないばあちゃんが亡くなったから葬式に出る事になった。 母親のほうのばあちゃんで、記憶にあるのは猫を抱っこしてニコニコしてたことくらい。 で、葬式会場に行こうとしたら、会場じゃなくてばあちゃんの実家に行く事になった。 やっぱり田舎だからか古いけど立派な家で、庭に鯉がいる池あるのを初めてみた。 玄関開けてご挨拶、と思ったらもうね、すぐに「うわぁ」ってなったんだわ。 母親はハ... 続きを読む
とーきのぼー
埼玉県西部にある国道の整備で、道沿いの山の中に管理事務所立てて夜間も作業してた。 夜勤以外の大半の者は家に帰ったり、近くの町のビジホとかに泊まった。 俺は元請の責任者とこの事務所に寝泊りしてた。 夜勤のある平日は夜中も誰かしら事務所にいて何事もなかった。 それでも作業が休みの日もあるわけで、一日中誰もいない。 責任者も帰っちゃって、俺だけが残った。 国道って言っても山の中を通ってるから、交通量は多くない。 夜はたまに走り屋みたいなのとトラックがまばらに走ってるだけ。 ひとり残されるとけっこう怖い。 昼間、... 続きを読む
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