まだ兄弟全員が小学生だった、雪の日の出来事。 その日は、私の生まれた地方では2年に1回あるかないかの大雪。(大雪って言っても30cm位) 両親も雪のため配達が出来ないので仕事が休み。 雪だというのに珍しく兄弟3人(姉、私、妹)が家に居ました。 午後の2時位だったと思う。 「犬の散歩に行くぞ」 と、父が私たちに声をかけてくれた。 3人が3人とも行くと即答。 興奮気味の兄弟3人は、喜んで薄暗い雪の世界に出かけた。 いつもの散歩コースを進んでいく4人と2匹。 いつもと違う景色や感覚に私たち兄弟と2匹は興奮し、誰... 続きを読む
棒
3年前に体験したミステリアスな話。 ウチから歩いて30秒くらいの所に公園があって、そこには甲子園の地区予選とかでも使われてる大きな球場がある。 寝付けない日にはその公園に行って、夜風に吹かれながらタバコ吸ったり球場の周囲をグルっとブラつくのが日課だった。 ある日、深夜2時頃になっても寝付けず、いつもの様に公園に行き球場の周囲を歩いていると、球場の真ん中に誰かいる事に気付く。 不審者が忍び込んでるのか? とよくよく見てみると、遠目からでも『人』じゃない事がシルエットで分かった。 恐らくは2.5~3Mくらいは... 続きを読む
掌恐怖症
死に目を看取った叔父の話。 独身だった叔父は、姉の子供のオレを我が子のようにかわいがってくれていた。 オレも叔父が大好きだったし、社会人になってからオレは叔父と同居して、叔父が亡くなるまで一緒に住んでいた。 叔父には一つだけ変な癖があった。 叔父の変な癖とは、叔父は子供の掌をとても怖がる癖だった。 どのくらい怖がっていたかというと、小さかった頃のオレが手を少しでも上げようとするだけで全速力で走って逃げるほどだ。 オレはそれが面白くて、よく手を叔父に向けたまま叔父を追いかけて遊んでいた。 意地悪く追いかける... 続きを読む
尻切れ馬
これは大学生の頃、年末に帰省した時の体験談です。私の地元はそこそこの田舎で、駅付近こそビルが多く立ち並んでおりますが、少し離れると田畑が多く広がっています。私の実家も田畑に周りを囲まれる、といった形です。 その日の夕方、確か夕飯よりは前だったと思います。私は某通販サイトで頼んだ品物の代金支払いの為、コンビニに行っていました。代金の支払いだけだとちょっと迷惑かなと思い、缶コーヒーもついでに買って外へ出ました。猫舌なものでゆっくりコーヒーを飲みながら、手持無沙汰な感じで周りを見ていました。新しい家がい... 続きを読む
一二様
自分の田舎の話ね。 自分の地元はクソ田舎で、耳は遠いし同じことは何回も言うじいちゃんばあちゃんがいっぱい住んでる田舎なんだけどさ。 8月と12月に「一二(人?)様」っていう行事みたいなのが行われてるのね。 いつもは地域行事にも参加しないうちの足の悪いばあちゃんも、その日になると俺に仕事の休みを取らせて車で送り迎えをしてくれっていうんだ。 で、ばあちゃんから 「8月3日の一二様のお祭りにいきたいから休みを取ってくれ」 って言われた。 その日はもとから仕事が休みだったので、送ってあげることにした... 続きを読む
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