昨年の6月6日、最初の記事「竹林の小屋」から、明日で1年を迎える本ブログ。 現在約400話ほど紹介しています。 自分の好きな話、気に入った話のみを載せていますが、中には載せようと思ってやめたお話も結構あります。 1年目最後の日、最後の記事。せっかくなので1つだけ紹介します。 * * * * * * * * * * * * * おじいちゃんの短歌 高校の時、大好きなおじいちゃんが亡くなった。 幼い頃からずっと可愛がってくれて、一緒にいてくれたおじいちゃんだった。 足を悪くし中学のころ入院してから数ヶ月、一度... 続きを読む
犬鳴き岩と藁人形
小学校に入ったばかりの頃、同じクラスにいじめられっ子がいた。 貧しい家の子で、いつも悪臭を漂わせ、性格も暗くおよそ子供らしくない男の子だった。 ある日、公民館の庭で藁の束で遊んでいたときにふと思い立ち、藁人形を作ってみた。 オカルト好きな少年だった僕は予想外の出来映えに作るだけでは満足できなくなり、翌日件のいじめられっ子の髪の毛を手に入れ、人形に埋め込んだ。 さてあとはどこかに打ち付けるばかり。 思い巡らすと少し遠出することになるがぴったりの場所がある。 地元に言い伝えられる犬鳴き岩の周りは暗い林になって... 続きを読む
巨大なキウイ
長距離トラックの運転手だった父から聞いた話。 昭和40年代ぐらいまでは少し郊外に行けば殆どが無舗装の道ばかりだったそうで。 ある日の深夜、助手のアンちゃんと共に群馬郊外の直線の続く無舗装道路を走っていた時の事。 急に助手がサイドミラーを怪訝そうに覗き込み始めた。 「Sさん……なんか後ろから来てるんですけど」 後ろから来るって車だろうが、それは。と思いつつもバックミラーを見た父だったが、そこには何も映ってなったそうな。 広がるのは暗闇ばかり(街灯も殆どない田舎の道)でふと父もサイドミラーに眼を落とすと、そこ... 続きを読む
八方園神社
海曹士普通科○○課程学生として江田島の第1術科学校に着任した翌日。学校内の関連施設を巡る「校内旅行」が行われた。学生隊隊舎に正対してグラウンドに整列する我々の左手には戦前に砲術教材として設置された戦艦「陸奥」の主砲塔が聳え、その先の海には護衛艦が停泊している。 我々の前にやってきた教官が告げる。 「諸君らは当然、本校敷地には我々が属する第1術科学校と、幹部候補生学校の二つの異なるの部隊がある事は承知していると思う。当然、構内の施設はどちらかの学校に付属している。本日は主として、幹候校の施設で... 続きを読む
ババさん
いろいろ読んでたら思い出したから書いてみるよ。 文章力なくてスマンが。 うちはかなりの田舎に住んでる。 俺の家のは小さい。本家がでかい。 代々神社をやってるんだが俺と妹は小さい頃から継ぐ気なんてさらさら無く、兄と姉がときどき神社についての勉強(?)みたいなのしてた。 だから俺は自分の家の神社がどんな神様を祀ってるとか全然知らないわけ。 そんな俺と妹と姉ちゃんが家で留守番してたときのこと。 俺の家は古くて、便所が家と離れたところにある。 ぼっとん、というか気持ち悪くて、妹は極度の怖が... 続きを読む
最近のコメント