山や森にまつわる怪異

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源流釣行

二年前に、友達のAと趣味の渓流釣りで、源流を目指してキャンプ道具を背負いながら、泊りがけで釣りに行った時の話です。 その日はとても晴れ晴れしい快晴で、このあと起こる背筋も凍るような、あのおぞましい出来事を予見させるべくもなく、私たちは意気揚々と渓谷へと足を踏み出したのでした……。 渓谷へ足を踏み入れたのも束の間、私たちは命綱であるライターの予備をコンビニで購入すべく、下界へと立ち戻ったのでした。 今となっては、第一の悲劇ともいえるべき出来事が、渓流の近くにある何の変哲もないコンビニエンスストアで起きたので... 続きを読む

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詩人、長谷川龍生の怪談話

15,6年前にやってたテレ朝「プレステージ」の怪奇話特集を覚えている人いるかなあ。 中島らもやなんかが出てたやつ。 あの詩人の長谷川龍生の話が当時マジコワだったんだけど、これってガイシュツ? ちょっとうろ覚えだが、こんな話だった。 詩人・長谷川龍生(りゅうせい)は当時静かな仕事場を探していた。 そして世田谷区の某所に破格に安い一軒家があったので、そこを借りることにした。 あまりに安い物件なので、なにかあるかもしれないとは薄々予測していたらしい。 だが長谷川氏は天涯孤独の身で、幼少から少々のことではビクリと... 続きを読む

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エクスカリバー

ゲーム好きな人なら「エクスカリバー」って一度は聞いたことがあるんじゃないだろうか。 洞窟の奥深く、地面に刺さるその剣は選ばれた勇者にしか抜くことのできない…みたいな感じの。 でも俺にとってエクスカリバーはまた別の思い出のある言葉なんだ。 結構長い話だし、幽霊とか呪いとかは出てこないので、あまり怖くないかもしれないが許してほしい。 俺が高校3年の夏休みのことだった。 俺にはマイクと呼ばれる、仲の良い友達がいた。 親友といっても差し支えないだろう。 そいつがマイクと呼ばれていたのは単に外国人顔だったからだ。 ... 続きを読む

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集落

もう20年以上前、少年時代の話である。 俺は名は寅、友達は雄二と弘樹と仮名をつけておく。 あれは小学校六年生の夏休み。 俺達は近所の公園で毎日のように集まり、遊んでいた。 夕焼け空が真っ赤に染まりだした頃 「そろそろ帰ろうか」 と弘樹が言い出す。 片親で家に帰っても一人ぼっちの雄二は、もう少し遊ぼうやと俺達2人を引き止める。 門限に厳しい弘樹は 「ごめんな、また明日遊ぼうや!」 と言い帰って行く。 弘樹の姿が見えなくなると、決まって雄二は 「あいつ毎回付き合い悪いのー」 と愚痴りだす。 すっかり暗くなった... 続きを読む

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河童井戸

その日、僕は友人Sの運転する車に乗って、県境の山奥にあるという廃村に向かっていた。 メンバーは三人で、いつも通り。 運転手がSで助手席に僕。 もう一人、後部座席を占領しているのがKだ。 僕らが街を出たのは午前十時頃で、途中で昼食休憩をはさみ今は二時過ぎ。 目的の廃村までは、あと一時間といったところだった。 車は現在、川沿いのなだらかな上り坂を、ゆったりとしたペースで上っている。 僕は開いていた地図に再び目を落とす。 これから行く廃村はもはや地図に載っておらず、赤ペンでぐりぐりと印がつけられている場所が僕ら... 続きを読む

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