今は亡き祖父の昔話。祖父と父が混同するので、祖父はAと表する。 Aは村人全員家族っていうような山の集落で育った。夏場は回りの村や町からくる行商などもいるが、冬になると道も雪に埋れてしまう。Aの一族は元来マタギの家系で、冬の間は村のみんなが、祖父の家族が取ってくる動物で食事の大半を賄っていた。その代わりAの家は栄えて、夏の間は遊んで暮らしていたそうだ。 Aが小さい頃は兄弟や親が取ってくる動物に何も疑問も持たなかったが、歳を取るごとにこう思ったそうだ。「こんなに安定してすごい量が取れるのはおかし... 続きを読む
山や森にまつわる怪異
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オツキサン
スレチかもしれないけど投下しとく。もう、夏真っ盛りだね。この時期になると、昔のことを思い出す。 俺の地元には大小の山の中に一際小さな山がある。本当に小さな山だ。でもなぜか大人と一緒であろうと、子供はこの山に登ってはいけないということを聞かされていた。 理由を親や先生に聞いても教えてくれないし他にも色んな山があるのにその山だけ子供は立ち入り禁止になってた。何より周りに神社が密集しているのも何か気になっていた。神社は、小さくて無人のところがほとんどだけど神主さんが住んでるところが1か所ある。神主... 続きを読む
ゆびきりむら
「ゆびきりむら」の話。これから書きます話は、今から二十年以上昔にTV番組「ウィークエンダー」にて紹介された事件です(って、齢がバレるなぁ……) 昭和五十年代にその事件は起こった。場所は九州の、かつて炭鉱で栄えていたが鉱山が閉鎖されてすっかりさびれた村。そこで一人の男が農作業中に誤って草刈り機で自分の足の指を切断してしまった。これだけなら日常の範疇でよくありがちな話なのだが、この出来事を境に急にこの村では不思議と村人達の手足の欠損事故が頻発するようになった。(文字通り異常としか言い様の無い頻度で)手... 続きを読む
裏山の神社
これからするお話は今から20年以上前、僕が中学生の時の話です。当時僕は悪い先輩達と付き合いがあり、暴走やタバコ、シンナー等不良っぽい事をして意気がる田舎ヤンキーでした。その日は学校をさぼり、町外れにある無人の神社に二人の先輩(アキさん、コウさん)とタムロってました。 バイク談義も一段落してそろそろたまり場に帰る雰囲気になっていたのですが、アキさんが「この神社の裏山に遺跡みたいなのがあるらしいから行ってみよう」と言い出したのです。見ると確かに裏山の奥へ続く石段がありました。 僕は基本的に先輩に... 続きを読む
やまけらし様
俺の家は物凄い田舎で、学校に行くにも往復12kmの道程を自転車で通わないといけない。バスも出てるけど、そんなに裕福な家でもないので定期買うお金がもったいなかった。 学校への道はちょっと遠回りだけど街中を通る道と、若干近道だけど山越えをする道と2つある。俺は山越えで汗だくになるのが嫌だったので、ほとんど街中のルートを通っていた。 ある日、学校の体育館で友達とバスケをしていて遅くなった俺は、早く帰ろうと自転車で山越えをしようとしていた。街中に入る道と山道に入る道の分岐点にあるコンビニで飲み物を買... 続きを読む
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