SF本

去年の今頃の話だが。 その頃俺は、昔のSF小説にはまってた。 ノリが良くて勧善懲悪なところが、何かスカッとして面白くて、復刻版の文庫を買ってきては読んでいた。 ある晩、本を読みながら眠ってしまった俺は、ふと気配を感じて目を覚ました。 部屋の隅に人が居た。 30過ぎくらいの女で、夏なのにセーターと長くて分厚いスカート。 壁にもたれて座り、本を読んでいる。 ものすごく驚いたが、寝ぼけているせいか不思議と怖くなかった。 おばさんだが、よく見ると前に見た『アメリ』って映画の主人公に似ていて結構見られる。 何となく... 続きを読む

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えんこう

これは古い私の身内の話です。 区別するためのHN入れときます。 私の亡くなった祖母から聞いた話だが、高知の大野見村で起こった事件です。 大野見村ってのは、四万十川の源流に近い所で、山と川しかないような寒村です。 うちの祖母が子供の頃、身内にY一って男の子が誕生したんですが、初めての跡継ぎでみんなに可愛がられて、いつも誰かがお守りをしている状態だったと聞きました。 今年の様に猛暑のある夏の日、山の麓の家にY一の母親(祖母の叔母)とY一(当時2歳前)が、農作業を終えて昼寝をしていたのですがウトウトしてる間に、... 続きを読む

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雲取山

15年ほど前の話。 奥多摩日原の雲取山に登ろうとしたときの話だ。 夜に登って、山頂で朝日が昇るのを見ようと思ったのだ。(俺は山には慣れていたので、夜でも登ってた) 夕方になって東日原のバス停に到着。 あいにく雨がしとしと降っていたが、山の上は雲を抜けて晴れている事が多い。 だからそのまま進んだ。 今でもそうだが、日原の集落を過ぎると、一本の街灯も無い。 しかも雨が降る=雲っているので、星明りも無い時は、ライトが無いと本当に何も見えない。 いや、見えないというレベルではなく、質量を持った『闇』というものが、... 続きを読む

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昭和炭鉱

北海道は昭和炭鉱での話。 ぐぐればすぐにわかる。 その昔炭鉱で栄えた町で相当の人数が住んでいたそうだが、俺が友達と馬鹿なキャンプに行った時は既に廃墟だった。 言いだしっぺは定岡で、俺は嫌だといったが強がりで絶対に引かない田村の性格が災いして、3人でその廃墟に一泊のキャンプに行くことになった。 自転車で2、3時間はゆうにかかる距離だった。 なぜ俺が嫌だと言ったかというと、親父と車で一度行ったことがあったから。 特にお化けがどうたらとかいう話を聞いたわけではないが、あまりいい気持ちがしなかったのと、その日に金... 続きを読む

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一軒家

俺が体験してきた、本当に本当の話を書かせてもらいます。 前に住んでた家の話なんだけど、そこはどこにでもある田舎の普通の一軒家。 周りが親戚だらけって言う、田舎にはよくある光景な訳さ。 俺が小学生の頃に爺さんが亡くなった。 小学生だからあまり覚えてはいないんだが、まぁ大往生だったらしい。 んでね、その3年後に婆さんが亡くなった。 この時も小学生だったから、病名や死因は覚えてない。 ただ、母さんとかが、自宅の布団で泣きまくってたの覚えてる。 んで、その3年後に、生まれたばかりの妹が死んだ。 妹はもう1人いて、... 続きを読む

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