小学生の頃、両親共働きでカギッ子だった俺は、学校から帰ると近所のおばーちゃんの家に入り浸っていた。 血縁者ではないが、一人暮らしのばーちゃんは、俺にとても良くしてくれたのを覚えている。 「ばーちゃんコレ見てや! 新しいバイクやで」 当時仮面ライダーが大好きだった俺は、人形や本を持ち込んでは、かっこよさをバーちゃんに語っていた。 「ヨシ君は本当にバイクが好きなんやねぇ」 「俺もな、大きくなったら仮面ライダーみたいなバイク乗るんや」 「あら、素敵ねぇ。そしたらおばーちゃん後ろに乗せてね」 「ええけど、仮面ライ... 続きを読む
波止場で夜釣り
上のヨシマサに前に聞いた話なんだけど、このヨシマサ就職に大阪出ていいおっさんになった。 ガキの頃に覚えた釣りは趣味として今でも続けていて、大阪でもちょくちょく夜釣りに出かけるんだと。 ある金曜日の夜、仕事も終わってさあ今日は夜通し釣るぞ~つって北港へ出かけた。 行き先は彼取って置きの人気のない貨物用の波止場。 昼は運搬車両や港湾作業者の往来が激しいこの場所も、夜になると灯りを探すのも困難なほどのひっそり。 でもそれだけにチヌやキスが釣れるとあって、彼は誰にも教えず一人の楽しみとして通っていたのだとか。 さ... 続きを読む
【ショートショート怪異譚(物・道具)】都内古書店で買った本、死体人形、冷蔵庫
都内古書店で買った本 俺の叔父さんの話。 叔父さんは古書集めが趣味で、暇さえあると古本屋巡りに出かけていた。 とある古本屋で叔父さんは、アメリカ人がインディアンと戦ったときの記録を、当時のアメリカ人が日記風に記した古書を見つけた。 オリジナルではなく複製だったけど、その当時の年代に複製されたのは間違いないらしくて叔父さんは大枚はたいてそれを買った。 叔父さんは、その本を自分の部屋の書斎に大事にしまっておいた。 その日依頼、なんとも寝付けない日が続いたと言う。 仕事から帰ってきて自分の部屋に入ると、すでに空... 続きを読む
変わる顔
先日分譲現場のお話をさせて貰った不動産屋の清水(仮名)です。 あ、前回書いていなかったのですが、私は32歳の既婚♀です。 あの投稿の後日談と言うか、今少し困ったことになっているので、皆さんに聞いて欲しくて再びこちらに書き留めさせて貰いたいと思います。 我が家は子供がおらず共働き家庭で、13歳になる老猫♂とで暮らしています。 夫も洒落怖スレをROMするのが大好きなのですが、前回の分譲現場の体験談は夫には内緒にしていました。 投稿した晩、先に帰宅していた夫が私の投稿を見ながら、 「不動産業界って怖いんだなぁ、... 続きを読む
歌浄霊師
この前映画に行って、ジブリの新作とかで、アニメと一緒に松任谷由実(クレジットは荒井由実だった)の『ひこうき雲』が流れてたんだけど、それで思い出した。 10年くらい前、高校のとある教室では必ず誰かが倒れるっていうジンクスがあった。 貧血で、とかなら分かるけど、普通に雑談してる時にさっきまで元気に喋ってた子が倒れたりする。 倒れるのは決まって大人しい子より元気な子、華奢な子より普通の体型の子だった。 ただ、倒れた子がどうにかなるわけでもなく、しばらくして目を覚ますとけろっとしてた。 もう明らかに普通じゃない。... 続きを読む
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