地獄のバス

小学校の修学旅行でのことだった。我々は一路、目的地をめざしてバスに乗り込んだ。席も隣同士だった。 少しテンションの高すぎる彼に閉口しながらも、バスの旅は快調に進んで行った……。しかし、バスに乗って1時間が過ぎた頃には、安川君はさっきまでのテンションがウソだったかのように静かになり、何か神妙な顔つきになっていた。 「車酔いか?」私は聞いてみた。「うん、ちょっと酔ったみたい」「先生に言おうか?」「いや、大丈夫。言わんといて」「そうか、また気分悪くなったら言いや」「うん」まぁ彼が大丈夫だと言うのだ... 続きを読む

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暗室

みなさんは「学校の七不思議」なるものを覚えているだろうか? 学校にまつわる怪談が七つあって、全部知ってしまうと死ぬとか、そんな類のものである。俺の通っていた小学校にも七不思議があった。ただ大概はまったく信憑性の無い、というより既存の話を羅列しただけのものだった。トイレの花子さんとか、理科室の人体模型とか、赤マントとかね。 しかしそんな我が母校に、一つだけ、オリジナルの七不思議があった。それがこれから話す「暗室」の話である。少々長くなると予想されるので、面倒な人はスルーしてくれて構わない。今で... 続きを読む

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廃屋の気狂い婆

今から13~14年前、地元の山奥のあばら屋(猟師の物置みたいな場所)で友人と私の身に起こった実際の話です。結構長くてヤヴァイ話になるので、細部を思い出しながら少しずつカキコしていこうと思います。煽りが出たら一時休止という事で…。表題を付けるならば……「廃屋の気狂い婆」 当時リアル消防だった私達は、学校の裏手が一面の山でしたので廃屋と化した誰も近づかないような物置小屋、東屋を見つけてきては「秘密基地」と勝手に決めて自分達の遊び場として使用していました。私達の遊びのグループはみんなが既存の「基地」の場... 続きを読む

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フラッシュバック

少し書き込みをしにくい雰囲気ですが、こういった場で書き込みをすることで何か自分の中にある心の痞え(つかえ)が少しでもなくなる気がするので、板汚しとは思いますが、去年の夏に約十年ぶりに実家へ帰省したときのことを書きます。長くなると思いますので、少し読んでみて興味のわかない方は、どうぞ飛ばしてください。 私は現在二十八歳で、二十歳までに霊体験をしなければ、その先そういったことを経験することはないなんて言われていますが、今まで霊を見たり何か霊的な体験をしたりということはありませんでした。そして、これから... 続きを読む

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やまけらし様

俺の家は物凄い田舎で、学校に行くにも往復12kmの道程を自転車で通わないといけない。バスも出てるけど、そんなに裕福な家でもないので定期買うお金がもったいなかった。 学校への道はちょっと遠回りだけど街中を通る道と、若干近道だけど山越えをする道と2つある。俺は山越えで汗だくになるのが嫌だったので、ほとんど街中のルートを通っていた。 ある日、学校の体育館で友達とバスケをしていて遅くなった俺は、早く帰ろうと自転車で山越えをしようとしていた。街中に入る道と山道に入る道の分岐点にあるコンビニで飲み物を買... 続きを読む

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