こんばんは。 これは僕が体験した話です。 その年、僕はツイてなかった。 彼女にフラれ、チャリンコで転んで骨折し、ヤカンのお湯で火傷し、バイトでありえないミスをおかし、パワハラとセクハラを受け、めちゃくちゃ有能な後輩が入ってきて比べられ、バイトをクビになり、新しい仕事はみつからず、家賃を滞納し、あと1ヶ月以内に家賃を払わないと法的処置により強制的に退去させられる旨が記載された内容証明を読んで、涙を流していた。 ちなみに僕は保証人を立てないで、保証会社なるものに入っていた。 親には相談できない……。 とにかく... 続きを読む
神隠し
僕が中学生の時に体験した話。 ホラーだとか、そういった類いとはちょっと違うかもしれませんが、投稿させて頂きます。 今から8年ほど前、僕は○児島県の○田町という所に住んでいた。(今は数年前の市町村合併で名前が変わってしまったが) そこは、映画「もの○け姫」に出てくる様な自然が豊富な地区で、町と言うよりは村に近かった。 ザックリ説明すると僕が住んでいたのは、開拓によって拓けられた山の頂上付近で、そこ以外は「手付かずの自然の山」だ。 山を下れば市街地があるのだが、その山を下るのも車で30分弱は掛かる様な、そんな... 続きを読む
河童井戸
その日、僕は友人Sの運転する車に乗って、県境の山奥にあるという廃村に向かっていた。 メンバーは三人で、いつも通り。 運転手がSで助手席に僕。 もう一人、後部座席を占領しているのがKだ。 僕らが街を出たのは午前十時頃で、途中で昼食休憩をはさみ今は二時過ぎ。 目的の廃村までは、あと一時間といったところだった。 車は現在、川沿いのなだらかな上り坂を、ゆったりとしたペースで上っている。 僕は開いていた地図に再び目を落とす。 これから行く廃村はもはや地図に載っておらず、赤ペンでぐりぐりと印がつけられている場所が僕ら... 続きを読む
廃車の絵
本当ごく最近の話。 小学生の時の同級生だったケンちゃんが亡くなった、自殺だったそうだ。 それほど親しい間柄でもなかったが、一学年50人ほどの小学校だったのでどんな奴だったかは良く覚えてる。 小柄でひ弱で頭に障害があって6年生の時は特別教室に通ってた。 自殺した原因も社会に適応できなくて、てな感じだったらしい。 ただな、その話を聞いてはっきり思い出したことがある。 ケンちゃんはもっと低学年の頃は、正確に言うと2年生のある日まではごく普通の子供だった。 ちょっと内気だけど、絵を描くのが大好きで、特に車を書かせ... 続きを読む
釣り場の老人
俺が大学1年の時の話。 何もない田舎の大学に通う俺と大学の友人は、夜釣りに行くことを趣味にいていた。 大学は、大きな漁港を持つ日本海側の地方都市に立地し、釣りの場所には困らなかった。 その晩はメバルを釣ろうと思い、友人kと漁港に出かけた。 そして、漁港の入り口付近のテトラポットの間を狙って釣りをしていた。 夜の漁港はとても静かだ。朝が早い漁師は、暗くなる前に漁港から姿を消してしまう。 波がテトラポットにぶつかって砕ける音だけが、規則的に聞こえてくる。 釣りに集中しルアーの動きを追っていた俺は、隣から突然誰... 続きを読む
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