私はある俳句の会に入ってるのですが、そこで体験したことを書きます。 怖くはないかもしれませんが実際にあった話です。 私は中学校の国語の教諭ですが部活動は担当していないので土日は時間があります。 それで人に勧められたこともあって地域の俳句の会に入りました。 まわりは仕事を引退したおじいちゃんがほとんどで、女性会員は数人しかおらずずいぶんかわいがっていただきました。 月2回集まって互選の句会をし、年に2回吟行の会がありました。 吟行といっても師範役の大学の講師の先生が大型バンを運転してくださり、日曜日に日帰り... 続きを読む
姦姦蛇螺
小中学の頃は田舎もんで世間知らずで、特に仲の良かったA、Bと三人で毎日バカやって荒れた生活してたんだわ。 オレとAは家族にもまるっきり見放されてたんだが、Bはお母さんだけは必ず構ってくれてた。 あくまで厳しい態度でだけど、何だかんだ言ってBのためにいろいろと動いてくれてた。 そのB母子が中三のある時、かなりキツい喧嘩になった。 内容は言わなかったが精神的にお母さんを痛め付けたらしい。 お母さんをズタボロに傷つけてたら親父が帰ってきた。 一目で状況を察した親父はBを無視して黙ったまんまお母さんに近づいていっ... 続きを読む
電話番
お邪魔します。 小学2年になって引っ越すまで住んでいた家について、いろいろと不思議な体験がある。 片田舎というほどでもなくそこそこ拓けた新興住宅地の片隅にある賃貸の平家だった。 一年中じめじめとした、いつも陰影をまとったような情景が思い浮かぶ。 背の高い土蔵のような隣家に挟まれ、庭にひしめくように植えてあるビワの木のせいで日中も陽が当たらない。 「もともとあそこは田んぼだった」 という母の言葉を後年聞いて、なるほどと思ったものだ。 床板や柱はどれも黒ずみ朽ちやすく、そしてどこからともなくカビのような臭いが... 続きを読む
墓参り
このスレいいっすねぇ、鼻かんで出直してきたのでちょっと母の話なぞを。 祖父、母の父が亡くなって今年で13回忌になります。 話は数年前のこと。 祖父母は不仲だった様子で、祖父の遺骨は墓に納められる事もなく、延々と寺に置かれていました。 母自身も祖父母とは不仲、故郷に戻る気もなかったようで、亡くなってからも帰郷することはありません。 ある日、母は昼寝をしてました。 ほんの数十分でしたが、夢を見たそうです。 延々と続く位牌の列、その先には寂し気な顔をした祖父の姿。 起きてきた母は「胸騒ぎがする」と、あれほど嫌が... 続きを読む
【ショートショート怪異譚(職業)】漏電事故、豪雪地帯の副業、ステーキの味
漏電事故 じゃ俺が昨日出入りの配管工から聞いた話。 熱湯の通ってる銅管とか修理するのが大変ですねっていう話の流れで 「原発じゃないですが蒸気とか、漏電とか危なそうですねえ」 「ええ、まあこういう家庭用の100Vだとそうでもないんですがね」 と言って話始めた。 昔その配管工の同僚にAさんって人が居たらしい、ある時デパートなんかの大型の変電設備の近くで水道管の修理をしていた時に、運悪く漏電事故が起きた。 「100Vやそこらなら手が反射的に痛みで手が離れるんですよ」 「200Vになると手がくっつきますが、周囲の... 続きを読む
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