私が学生の時、新聞配達のバイトをしていた時の出来事です。 当時配達を始めたばかりの私は先輩について順路を覚えるのが主な仕事で、バイクに乗って200軒程廻るのですが、その内の1軒に古い神社がありました。 その神社は相当古いらしく、建物自体はぼろぼろでその上そこへ覆い被さるように大人が4~5人手を回しても届かない程太い幹の大木がうっそうと繁っていました。 正確には神社の脇にある住職さんのお宅へ届けるのですが、私は不気味な雰囲気のあるその神社がとても嫌いでした。 ある日、大体順路を覚えた私は先輩から少し距離をお... 続きを読む
おかっぱの子
あれは俺が小学生に上がったばかりだから、もう20年以上昔の話だ。 この前の辻事件を書いてて思い出したが俺の住んでた村には結構そういった怪奇スポットがいくつかあった。 今回も少し長めです。 今回は夏に行われたお化け大会の時の恐怖体験ついて書いてみる。 場所は近くの神社。 そこはうっそうとした林の中にあり、昼間でも怖くて一人では近づきたくない場所だった。 ルールは簡単。 ひとりずつ本堂の奥にある祠の前に置いてある箱からゴムボールを1個持ってくるだけだ。 しかし小さかった俺には死ぬほど怖かった。 街灯は無いので... 続きを読む
納涼祭
流れぶったぎって悪い。 怖くない話をさせてもらう。 俺が育った四国のとある村の話。 親の仕事で3年間住んだ村。 閉鎖的で且つ人口も少ないし集落と言っても過言ではないかも。 その状況下だからかわからんが斜視の人の割合は多かった。 多分限られた人口で繁栄してきたんだろうな。 血が濃いのだろう。 顔が体が手が今まで見てきた日本人とは少し違う。 そんな村。 毎年、盆の納涼祭で地元の神社で催し物をやるんだ。 これがちと異色で色んなお面をかぶった大人達が太鼓に合わせて踊る。 踊りとゆうよりは太極拳みたいなゆっくりとし... 続きを読む
家系
島根の田舎の話です。田舎の中の田舎って事ですね。 山間で鮎も採れる母の実家。 小学生になったばかりの自分は夏休みにそこに来た。 虫も沢山いたし、川とか綺麗で流れの浅い、緩やかな水辺で時間を過ごしたりした。 一番のお気に入りの場所は神社に流れ込む小さな小川があって、その畔に雨宿り出来そうな小さな祠がある広場。 ばあちゃんが手入れして、たまにお供え物を持って行かされたりしてた。 夏休みの間事情があってずっとこの田舎にいたんだ。 で、二週間位して、近所の友達も少ない事もあって、ある日凄い退屈になった。 で、思い... 続きを読む
仙台坂
昔、麻布の仙台坂というところに住んでいたことがある。 大使館や寺があちこちにある、静かな町だ。 俺が住んでいたのは、麻布の谷間に沈むようにある墓場のそばの、じめじめした小さなアパートだった。 ある日、会社に何日か泊まり込んで仕事をしていた俺は、久しぶりに終電でアパートに帰った。 家に入ろうとして、アパートの鍵を会社に忘れたことに気がついた。 今から友人のところに行くのも迷惑だし、ホテルに泊まるほどの持ち合わせもない。 なにより俺は疲れていた。 部屋の前に駐めてあるバイクのカバーをはがすと、俺はその中にもぐ... 続きを読む
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