心霊

尻切れ馬

これは大学生の頃、年末に帰省した時の体験談です。私の地元はそこそこの田舎で、駅付近こそビルが多く立ち並んでおりますが、少し離れると田畑が多く広がっています。私の実家も田畑に周りを囲まれる、といった形です。 その日の夕方、確か夕飯よりは前だったと思います。私は某通販サイトで頼んだ品物の代金支払いの為、コンビニに行っていました。代金の支払いだけだとちょっと迷惑かなと思い、缶コーヒーもついでに買って外へ出ました。猫舌なものでゆっくりコーヒーを飲みながら、手持無沙汰な感じで周りを見ていました。新しい家がい... 続きを読む

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夜の散策

僕には未だに忘れらない不思議な体験があります。 今から7年前の秋の出来事です。 仕事を家に持ち帰った僕は、その夜、自室で書類の山と格闘しておりました。 ようやく半分ほどを片付けたところで、時計を見れば夜中の1時を過ぎておりました。 僕は気分転換のため、ぶらりと夜の散策に出かけることを思いつき、寝静まった家族を起こさぬようガレージから自転車を引きずり出しました。 深夜の国道170号線をひたすら南へ下り、途中、近鉄古市駅に差しかかったところで東に折れ、聖徳太子ゆかりのお寺があることで有名な奈良県... 続きを読む

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とーきのぼー

埼玉県西部にある国道の整備で、道沿いの山の中に管理事務所立てて夜間も作業してた。 夜勤以外の大半の者は家に帰ったり、近くの町のビジホとかに泊まった。 俺は元請の責任者とこの事務所に寝泊りしてた。 夜勤のある平日は夜中も誰かしら事務所にいて何事もなかった。 それでも作業が休みの日もあるわけで、一日中誰もいない。 責任者も帰っちゃって、俺だけが残った。 国道って言っても山の中を通ってるから、交通量は多くない。 夜はたまに走り屋みたいなのとトラックがまばらに走ってるだけ。 ひとり残されるとけ... 続きを読む

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郷里の妹

学生運動のあった時代というので、70年代の頃 の話だろうか。 N君は極めて真面目な学生で、学内をヘルメット姿の学生たちがヤクザまがいに闊歩しているのを避けながら、こつこつと勉学に打ち込む純朴な青年であった。 数に物を言わせて頭でっかちな論争を吹っかけてきては興奮して騒ぎ立てる連中とは違って人当たりもよく、彼は教授たちにも可愛がられていたという。 ただどことなく。 線が細いというか、か細いというか、どことなく何かが弱い印象があったという。 影が薄いというのだろうか。 ある日、N君が憔悴しきっ... 続きを読む

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そば殻の枕

ウチの母から最近聞いた話。 当時18とかそこらの母は、ちょっと距離のあるところで就職してた。 百貨店の接客と長時間通勤で精神と肉体の疲労は半端なく、常に肩こりが酷かったらしい。 熱い風呂とマッサージで誤魔化してたけど、流石に限界がきたらしく整体へ行くことに。 整体の先生が施術しながら、ここのコリが酷いとか片足に体重かけ過ぎだとかをお説教してきて、すこしうんざりしてたんだけど「枕が合ってない」って言われてドキン!とした。 そんなに裕福じゃなかった母は、昔から重ねた本にタオルを巻いて枕代わりにし... 続きを読む

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