俺のオヤジから聞いた話。 オヤジが小さい頃の遊びといったらメンコが大ブームで、オヤジも色とりどり様々なメンコを集めていたが、腕はからっきしだったとか。 あるとき、同じ町内のA君に惨敗し、彼に頼み込んで特訓を受けた。 勉強そっちのけで血の滲むような練習を重ねたところ、かなりの上達を遂げ、気がつくとオヤジは近所でも名うてのメンコ名人になった。 師匠であるA君までもがライバルと認め、二人の直接対決は町内の子供たちがみな観戦に集まる名物となっていた。 星取は一進一退でなかなか決着はつかなかったとか。 しかし、A君... 続きを読む
心霊
変電所
昔、電力会社の下請けで作業員してたんだけど、その時に聞いたちょい怖な話。 書き溜めたんで投下します。 特定避けるために、少しフェイク入れてます。 前提知識として、各家庭に電力を配る配電用変電所ってのは小規模で無数にあるから、普段は人がいないんだよね。 しかも、建物はコンクリートの打ちっ放しで、築30~40年のものがゴロゴロ。 薄汚れてるし、建物内も暗くて、サイレントヒルの廃病院みたいな雰囲気。 特に地下変電所とかは、真っ暗な中で電灯点けながら進まないといけないから、何もなくても怖い。 だから、普段でも一人... 続きを読む
温泉街の旅館
甲府方面にある旅館に泊まった時の話。 俺と彼女が付き合い始めて1年ちょっと経った時に、記念にと思い電車で旅行をした時の事。 特に目的地も決めておらず、ぶらり旅気分で泊まる所も適当に確保する、という感じの旅行だった。 初日は山梨方面に向かい、なんとなく清里で降りてホテルに泊まった。 次の日、ホテルを出て富士山方面に電車で向かった。 甲府駅で降り、城跡を見たりして、夕方近くに再度電車に乗り込み静岡方面へ。 途中で温泉街を見つけたため、その日の宿を探そうと電車をおり、駅においてある案内板で旅館を探し電話をした。... 続きを読む
海の家
昭和50年代後半、俺が小学2年になったばかりの頃、うちの親父が友人の借金の保証人になって友人が飛んだから、我が家は家も土地も全て奪われ一家全員宿無しになってしまった。 父は高速道路建設で7月から8月の2ヶ月間、出稼ぎのような状態。 母と姉(当時小6)と俺(当時小2)の3人は、7月から8月いっぱい、親戚から紹介された町営の海の家の住み込み従業員生活。 海の家といっても、浜は小さく、建物も昔は漁師小屋(番屋)だったところ。 朝は8時に開けて、夕方5時に閉店。 更衣室と水道水シャワーと簡単な飲食提供。 掃除をし... 続きを読む
軍人御殿
海の話です、かね? 漁村を見下ろす丘の上には、小さな林と『軍人御殿』と呼ばれる古いお屋敷がありました。 お屋敷は平屋ですが、別に土蔵もあり、白壁で囲まれていました。 後ろに林、前には海を一望しています。 その屋敷は、戊辰戦争の時に功績をあげた軍人が別荘として建てたものだと言い伝えられていました。 その軍人が亡くなったあと、家族からその別荘は忘れされたように使われることはなく、人手に渡りました。 地元の金持ちや代議士などが住みましたが、数年、長くても十数年住んだあと手放してしまいます。 別にその屋敷に住んだ... 続きを読む
最近のコメント