心霊

でんわ

高校に入学して直ぐに、クラス内のちょっとしたトラブルに巻き込まれ不登校になった。 昼間は家で、テレビを見たりゲームをしたり年の離れた弟の面倒を見て、夜は近所の公園に行ってスケボーをしたり、友達の家に遊びに行ったりしていた。 ある時、いつものように弟と二人で飯を食いながらタモリを見ていた。 母親は確か病院とかで、家には弟と二人きりだった。 飯を食い終わりボーっと小堺を見ていると、弟が突然 「あ、でんわ。でんわしなきゃ」 と言い出した。 その当時弟は4歳。 「え? どこに? 誰に?」 と聞くが、 「でんわ、で... 続きを読む

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骨董蒐集

自分の親父と骨董の話を書きます。 親父は紡績の工場を経営していましたが、何を思ったか50歳のときにすっぱりとやめてしまい経営権から何から一切を売り払ってしまいました。 これは当時で十億近い金になり、親父は 「生活には孫の代まで困らんから、これから好きなことをやらせてもらう」 と言い出しました。 しかしそれまで仕事一筋だった父ですから、急に趣味に生きようと思っても、これといってやりたいことも見つからず途方に暮れた感じでした。 あれこれ手を出しても長続きせず、最後に残ったのが骨董品の蒐集でした。 最初は小さな... 続きを読む

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送り番

子どもの頃、ひい爺さんから聞いた話を書きます。 ひい爺さん(以下爺さん)は明治の早い時期の生まれで、しかも山村で育ったためいろいろと奇妙な風習を知っていて、自分が子どもの頃によく話してくれました。 爺さんの村では送り番という役回りがあり、これは三軒ひと組で回り番で当たる遺体の埋め役のことだそうです。 当時爺さんの村はまだ土葬で、寺で葬式を行った後に、遺体の入った棺桶を荷車にのせて村はずれにある墓域まで運ぶのです。 村の顔役や男手のない家では代わりを頼むこともできましたが、葬式では酒も振るまわれ些少の礼金も... 続きを読む

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坪の内

自分の実家は築100年。 岐阜県に大正村というところがあるが、そこで公開している家にそっくり。 中庭を囲むように、母家・渡り廊下・離れがコの字状に並んでいる。 子供の頃、なぜか、じいちゃんから「夕方は坪の内(中庭)に行ったらあかん」と言われていた。 トイレは離れの横にあるので、生活空間の母家から夜でも真っ暗な渡り廊下を通って、トイレに行かなければならなかった。 仕方ないので、夕方だけは尿意を催すと、近くのコンビニへ行くか我慢していた。 中庭は坪の内といい手入れされた数本の木と苔むした石のまわりに白石を敷い... 続きを読む

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連続する夢

中学の自習時間に先生がしてくれた実体験談?です。 先生から聞いただけの話だけど、臨場感を出すため語り手を先生(俺)として書きました。 十年くらい前、俺がまだ大学生だった時の話。 同じサークルでよくつるんでた友達が二人いた。名前はKとH。 俺とHは学生寮に住んでいて、Kだけが安アパートで独り暮らしだった。 どいつも親は別に金持ちじゃないから仕送りも衣食住でかつかつ程度だったし、大学は最後の自由時間って感じで、講義もそこそこにバイトしては遊ぶ毎日だったよ。 彼女もいない野郎三人。 つるんでゲーセンやカラオケ行... 続きを読む

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