風習

一二様

自分の田舎の話ね。 自分の地元はクソ田舎で、耳は遠いし同じことは何回も言うじいちゃんばあちゃんがいっぱい住んでる田舎なんだけどさ。 8月と12月に「一二(人?)様」っていう行事みたいなのが行われてるのね。 いつもは地域行事にも参加しないうちの足の悪いばあちゃんも、その日になると俺に仕事の休みを取らせて車で送り迎えをしてくれっていうんだ。 で、ばあちゃんから 「8月3日の一二様のお祭りにいきたいから休みを取ってくれ」 って言われた。 その日はもとから仕事が休みだったので、送ってあげることにした。 8月3日の... 続きを読む

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黒い布

なんつーかこう、ヒドい車酔いした時みたいな気分になった話だけどいいかな。 モヤモヤして気持ち悪いから聞いて欲しい。 ほっとんど会った覚えのないばあちゃんが亡くなったから葬式に出る事になった。 母親のほうのばあちゃんで、記憶にあるのは猫を抱っこしてニコニコしてたことくらい。 で、葬式会場に行こうとしたら、会場じゃなくてばあちゃんの実家に行く事になった。 やっぱり田舎だからか古いけど立派な家で、庭に鯉がいる池あるのを初めてみた。 玄関開けてご挨拶、と思ったらもうね、すぐに「うわぁ」ってなったんだわ。 母親はハ... 続きを読む

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船流し

昔の話なんだけど、夢に出てきて思い出してしまったので投下。 故郷では初盆に舟を海に流す風習がある。 精霊流しと似てるけど別の行事。 幼児なら寝そべることができそうな大きさの木製舟で、新しい白装束とわらじ、盆菓子や果物などを入れて、舟の周囲に枠を組んで多数の小提灯で飾り立てるんだ。 流したときに提灯の火が燃え移って炎上したり舟が沈むととても縁起が悪いので、提灯の飾りつけには細心の注意が必要になる。 縁起が悪いとされているだけで、特に何かが起こるわけじゃないけどね。 俺が小さい頃に、祖母が亡くなったので舟を流... 続きを読む

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紙を破る

子供の頃いた実家に変わった風習? があってな。 家庭毎に微妙に異なるのもあるけど、共通するのは「人」って書かれた紙を年の数だけ破るってもの。 「人」の数も年の数だけ書く。 そして破る時は手で、「人」の字が破れないようにするんだ。 TVのCMとか、暇な時にチラシとかメモ帳に書いてやるように習慣付いてたんだけど、毎年10月の2週目頃に本番みたいなのをやるんだ。 やるのはいつも夜で、習字で使うような和紙を使ってた。 最初は子供からやって、最後は爺婆がやる。 終わった後は特に何かある訳じゃなくて、田んぼの様子をみ... 続きを読む

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送り番

子どもの頃、ひい爺さんから聞いた話を書きます。 ひい爺さん(以下爺さん)は明治の早い時期の生まれで、しかも山村で育ったためいろいろと奇妙な風習を知っていて、自分が子どもの頃によく話してくれました。 爺さんの村では送り番という役回りがあり、これは三軒ひと組で回り番で当たる遺体の埋め役のことだそうです。 当時爺さんの村はまだ土葬で、寺で葬式を行った後に、遺体の入った棺桶を荷車にのせて村はずれにある墓域まで運ぶのです。 村の顔役や男手のない家では代わりを頼むこともできましたが、葬式では酒も振るまわれ些少の礼金も... 続きを読む

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