風習

きじょさん

ウチの実家のあたりで昔からの迷信みたいなもので、『きじょさん』って呼ばれてるモノがいる。 葬儀帰りに、家に入る前に清めの塩を振るってのがあるが、地元では、葬儀帰りに塩で清めた後、必ず履物を外側に向けて揃えて脱いで家に上がるという風習がある。 そうしなければ、きじょさんが家まで上がり込んで来てしまうことがあるのだという。 仮に、きじょさんが家に上がり込んで来てしまうとどうなるか? 葬儀の夜、その人間の夢枕に、黒く塗りつぶされた顔に黒尽くめの喪装の人物が現れる。 夢枕に立ったその人物(きじょさん)は問いかける... 続きを読む

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墓場で転ぶな

めちゃめちゃ昔、私が小学生になったばかりくらいの話。 家のまわりは田畑や雑木林ばかりで、道路も舗装されていない田舎の子でした。 家のそばにある墓場で近所の子とよく遊んでいたんですが、まあ罰当たりなガキどもですわな。 卒塔婆でちゃんばらしたりとかね。 お寺がそばにない墓場で、とくに怒られたりはしなかったんですが、親からこれだけは守れと言われたことがありました。 「墓場では転ぶな。墓場で転んだら片足を置いていかなければいけない。そうしないと罰が当たる」 と。 でもね、ガキが遊ぶ(暴れるという表現のほうがあって... 続きを読む

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桜の木のある山道で

私の家には奇妙な風習がありまして、何故かよく宴会を墓場でやることがあります。 墓場は自宅の裏山にあり、基本的に私の家系の墓しかありません。 唯一近くにあるのは道祖神さんの碑があるだけでして、周囲には桜や柊、榊の木が植えてあり、春には花見などを行うのか慣例になっています。 私の奇妙な体験は、私が高校生に入学したての頃でした。 自宅からかなりの距離にあり、電車と自転車を乗り継いで帰宅する頃には、すっかり日が落ちているのが基本でした。 もう桜も終わりの頃でしたが、山間にある自宅のまわりはまだ気温が低く、桜の花も... 続きを読む

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小屋の中の穴

俺の祖父の体験談を一つ。 当時祖父が住んでいたのは、お約束っちゃーお約束だけど、へんぴな山麓の農村だった。 住んでる人が少ない上に、その村から外に出る事も無いから、村一つで1個の大きな家族みたいな感じだったんだな。 そこで当時小学生だった祖父は、肝試しとか鬼ごっことかして育っていった。 そんなある日、祖父の親友(以下『甲』とする)の家に新しく弟か妹ができるみたいな話を、その甲から聞いたらしい。 祖父も喜んで、また『家族』が増えると心の底から祝ってやった。 甲の話だと、もう弟の場合も妹の場合も名前は決まっ... 続きを読む

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逆さの注連縄

俺の田舎の祭りに関する話を投下します。 俺は神戸に住んでいるんだけど、子供の頃、オヤジの実家である島根の漁師町へ良く遊びに行ってた。 9歳の時の夏休みも、親父の実家で過ごした。 そこで友達になったAと毎日遊びまくってて、毎日が凄く楽しかったね。 ある日、Aが神社に行こうって言いだしたのね。 しかも、神社の社殿の中に入ってみようぜって。 この神社についてまず説明させて下さい。 神社は山の上に立ってて、境内にまず鳥居がある。 山から麓までは階段が続いていて、麓にも鳥居。 それから、鳥居からまっすぐ海に向かうと... 続きを読む

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