柿色の傘

先月下旬に出張で山形に行った時の事。駅前でレンタカーを借りて、ぐるぐるとお客さんの所を周ってさ。その日最後の約束先との商談を終えて、車を返す為に市内に向かって山道を走っていた。 商談の途中から雨が降り始めていてさ、帰る頃には叩きつけるようなゲリラ豪雨の状態。お客さんからは「気ぃつけてな」って言われて、山道でこの天気だし車の返却時間まではまだ時間的に余裕があったから「まぁ、のんびり行くか」って、結構ノロノロとしたスピードで走ってた訳ね。 山道はギリギリで車がすれ違える位の道幅でさ。しばらくすれ... 続きを読む

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マシャノォ

今は亡き祖父の昔話。祖父と父が混同するので、祖父はAと表する。 Aは村人全員家族っていうような山の集落で育った。夏場は回りの村や町からくる行商などもいるが、冬になると道も雪に埋れてしまう。Aの一族は元来マタギの家系で、冬の間は村のみんなが、祖父の家族が取ってくる動物で食事の大半を賄っていた。その代わりAの家は栄えて、夏の間は遊んで暮らしていたそうだ。 Aが小さい頃は兄弟や親が取ってくる動物に何も疑問も持たなかったが、歳を取るごとにこう思ったそうだ。「こんなに安定してすごい量が取れるのはおかし... 続きを読む

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オツキサン

スレチかもしれないけど投下しとく。もう、夏真っ盛りだね。この時期になると、昔のことを思い出す。 俺の地元には大小の山の中に一際小さな山がある。本当に小さな山だ。でもなぜか大人と一緒であろうと、子供はこの山に登ってはいけないということを聞かされていた。 理由を親や先生に聞いても教えてくれないし他にも色んな山があるのにその山だけ子供は立ち入り禁止になってた。何より周りに神社が密集しているのも何か気になっていた。神社は、小さくて無人のところがほとんどだけど神主さんが住んでるところが1か所ある。神主... 続きを読む

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ねかぁねこ

突然ですが、僕の人生で唯一恐ろしかった話を書かせてもらおうと思います。 僕は、どこだかは言わないが、すごく田舎の出身だ。そして、僕の田舎にも洒落怖でもたびたび出ているような古い言い伝えのようなものがあった。それは「ねかぁねこ」と言う妖怪のたぐいの物でこんな話だ。 昔、ある僧侶が突然目が見えなくなったと言って騒いだことがあったそうな。僧侶に何故そうなったか聞いてみるとこう答えた。 ある日、歩いているとネコマタのような大きな猫が一匹、どこからともなく出てきて近寄って来たらしい。その猫は眼が... 続きを読む

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山祭り

久しぶりに休みが取れた。たった2日だけど、携帯で探される事もたぶんないだろう。ボーナスも出た事だし、母に何か旨いものでも食わせてやろう。そう思って京都・貴船の旅館へ電話を掛けてみた。 川床のシーズン中だが、平日だったから宿が取れた。母に連絡を取ると大喜びで、鞍馬も歩いてみたいと言う。俺に異存はなかった。 京阪出町柳から叡山電鉄鞍馬駅まで約30分。その間に景色は碁盤の目のような街中から里山を過ぎ、一気に山の中へと変化する。また、鞍馬から山越えで貴船へ抜けるコースは、履き慣れた靴があればファミリ... 続きを読む

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