もう一つの池の噂

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学生の頃溜まり場になっていた神社の話だけど需要ある?
山の中にある神社の歩道に池があるんだけど、噂でもう一つ池がある、って聞いてそれを探しに行く話。

俺の通っていた高校は山の頂上にあった。
家が海沿いなんで高校までは一時間弱チャリを立ち漕ぎで漕がないといけなかった。
もちろん帰り道はその逆であっと言う間に家についた。

ある日友達と別ルートから帰ろうと適当にチャリ漕いでいたら広い公園についた。
公園と言うよりも山を切り開いた広場みたいな感じ。
その公園から抜け道はないかぐるっと一周してたら細い獣道を発見した。
興味本位でそこを下ると神社にたどり着いた。
山の途中にある神社は展望台みたいな所もあり、そこから麓の街が見渡せる絶好の場所。
山の中と言う事もありかなり広くすぐさま俺達の溜まり場になった。

麓から神社に行くまでは歩道で20分くらい山道を歩かないといけない。
夜は街頭などもほとんどなく、肝試しなんかをよくするようになっていった。
山道の途中に池があり、夜は月明かが池を照らしていてなんとも不気味な雰囲気を醸し出していた。
その池から先はY字になっていて右に行けば神社に繋がる階段、左に行けば広場みたいになっていて暇さえあればその広場で遊んでいた。

ある日そこで遊んでいると1人の老人が来て、ここで遊ぶなと怒られた。
まぁ神社で溜まっていて怒られたこと事態初めてではなかったので特に気にせずにいると、老人が再びきて呆れた感じで、ここには昔池が2つあってそこで死んだ人がいるからあまり近寄るな、的なことを言って神社方面へ歩いて行った。
夜に帰宅してさっそく婆ちゃんにその神社には池が2つあるのか訪ねると、底無し沼が昔はあったと言われ事故が多発したし今は無いんじゃないの? と言われた。
そしてあまりいい場所ではないから近づかないよう釘をさされた。

次の日それを友人に伝えると全員一致で探そうと言う結論に至った。
そして麓から山道ではなく傍らにある山道から散策を始め、獣道にある墓やら麓からすぐ近くにある滝やらを発見し ここにはまだまだ知らない場所があることを知る。
だがどうしても池は発見できなくて、半ば諦めて散策ごっこも終わりかけていた時、いつも溜まっている広場から山頂を目指して山道を進もうと友達が言い出してちょっとした会議になった。
今までは麓から神社に向けて散策していたので、神社方向ではない広場から登るとどこにたどり着くか検討がつかなかったからだ。
Y字の右の山を登ると神社、左は麓にある広場だけであとは未知の世界と言ったら分かりやすいかな?

そして週末に行くことになった。
各々冒険気分でいざ出発。
だが思ったよりも険しい場所で、崖を登ったり小さな滝を登ったり、野良犬の群れに出くわしたり、わら人形が木に打ちつけてある明らかに誰かが生活していた場所を発見したりしながら、正味二時間は山道を登っていた。
もちろん山の中なんで音といったら俺の声と鳥の声と風のせせらぎくらいだったんだが、途中から『ドボン!!』と言う音が聞こえてくるようになった。
何かが水に入る音のような感じだった。
今まで無我夢中で山を登っていた俺は少し恐怖心がでてきた。

そして今までほぼ獣道だったのに、なぜか少し道がでてきてゴミなどもちょくちょく落ちいる場所に出た。
段々ドボンの音も近くなり、それが一定の感覚でなっていることも分かった。
とりあえず音のする方を目指しまた獣道を進んでいく。
そこから10分くらい歩くといきなり視界が開けた。
なんと目の前に池が現れた。
しかも自然的な池ではなくかなり人口的に周りを補正された池だ。
ついに見つけたのだ。

しかしかなり違和感を覚えた。
あまりにも綺麗すぎる。
山の中で誰も来ないので綺麗なのは当たり前なのだが、明らかに誰かが手入れをしている綺麗さだった。
そしてドボンの音なのだが何かの機械が泥を排出する音だと判明した。
何の機械かは分からないが、その機械から奥の山道に向けてパイプが通っていたのでそれを辿っていくことにした。
三分もせずにパイプの終点までついた……そこには小屋があった。
二畳くらいの木でできた小屋だ。
小屋の周りには御札がこれでもかってくらい貼られていて、全員これはやばい! と思った。
パイプはその小屋から伸びていてパイプだけ新しいのに小屋がかなりボロボロで貼られている御札は綺麗なものやボロボロのものが小屋一面やパイプに張りめぐらされていた。
小屋にはドアがあり友達が開けようと言い出した。
もちろん反対したが友達は小屋に近づく。
ドアを開けて友達は中に入った瞬間半分くらい体が下がった。
外からみていたやつはみんな????ってなった。
中に入ったやつが大声で助けを求めてきた。
小屋の中だけ泥があり、おそらく底無し沼だった。
かけつけた時にズボンはおろかシャツの胸のあたりまで泥に埋まっていた。
なんとか引っ張り出し一目散にその場から退散した。
俺達の憶測だがここまで昔は沼だったんだとおもう。

そのまま引き返すか山頂を目指すか議論になったが、17時近くなこともあり引き返すと日が完全に落ちてしまう為とりあえず上を目指すことにした。
10分もせずに車道にでた。
そこは神社の上の公園の先のガードレールの所だった。
そこから麓まであるいて30分でつくのに何とも不思議な気分になった。

とりあえず車道に出て安心した俺たちだったが友達の様子がおかしい。
小屋の中で泥に埋まっているとき何かが足を引っ張っていたらしい。
薄暗くて分からなかったがズボンの泥が手の形で汚れていない場所があった。

んでそいつが小屋のドアを閉めに戻ると言い出した。
みんな反対したが1人でも行くと言うので仕方なくついて行くことに。
確かにドアは開けっ放しだったんだが、なんで閉めに戻ったかは未だに謎。
不思議と池の事は誰にも言わなかった。

それ以降、神社にもあまり近づかなくなり池の事も忘れた頃、泥につかったやつが行方不明になった。
ちょうどあの日から一年目。
最初は家出かと思ってさほど気にしていなかったが、日に日に大騒ぎになって警察なども出動する事態になった。
まさかと思い親達に一年前の事を言ったのだが特に関係ないとされた。
しかし気になった俺達は兄貴やその友達を連れてあの池に行くことにした。
池には公園側のガードレールから行ったのですぐついた。
もちろん友達はいなかったが真新しい御札がパイプに貼ってありなぜかドアが開いていた。
勿論因果関係は分からないが友達はあれ以来見つかっていない。
俺らは関係あると思うのだが親や周りの大人に言ってもそれは関係あるわけないと片付けられた。
見つかってないままなので葬式なんかもないままだけど。
もうすぐ8年たつから書いてみました!

362 本当にあった怖い名無し 2014/03/16(日) 03:48:30.68 ID:21Bpu8nI0

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コメント

  1. 匿名 より:

    周りが頑なに関係無いって言うのが逆に怪しい…

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