数年前、つきあっていた彼氏と結婚をする約束をしていたんですが、お金使いが荒くて私の方が心変わりをしていました。このままこの人と結婚しても到底幸せになれないような気がして。 ただ、彼はちょっとした事できれて暴力をふるうのでなかなか言い出せず、どうしよう、いつ話そうってすごく悩んでいました。私の様子がおかしいと思ったんでしょうか、彼が休日にいきなり電話をしてきて『おかんの墓参り行くで、結婚の報告や』と。 彼の御両親は離婚後二人とも亡くなっていて、今日はお母さんの方のお参りするということなんですが... 続きを読む
ボーンコレクター
俺も墓石作ったり砕いたりする仕事してる。んで、作業の中で一番気味が悪いのは『骨上げ』っていう作業。新しい墓に骨を移す作業なんだけど、古墓だと土葬が多いからたまったもんじゃないよ。まだ髪が残ってる骨とかあるからね。たまに、桶に引っ掻き回した後も残ってたりするし。俺らがよく仕事で行く墓地は、普段はほとんど人がいないのよ。夜になると車も絶対通らない場所なんだ。 四年前ぐらいかな?いっつも夕方になると、1人だけ若い兄ちゃんが来てて、深々と帽子かぶって、その服どこで売ってんの? って聞きたくなるピチピチの黒... 続きを読む
墓地の中の家
私の生まれ育った実家は、お墓の中にありました。とはいっても、お寺さんではありません。 私の実家は玄関に入ると中央に廊下があり左右に部屋が並んでいます。玄関から見て右手、建物の北側が墓地であり、一番奥の部屋が当時の私の部屋です。窓の外には無縁仏の放置された墓石がごろごろしており、窓から手を伸ばせば触れることが出来ました。庭の造成でユンボが入り庭を掘り起こした時、数々の墓石が出てきた事もありました。 またある日、飼い犬が骨を掘り当て、それが人骨のように大きかったので、お寺の住職に見せたところ紛れ... 続きを読む
老人ホームの下に眠るもの
これから仕事の合間にちょくちょく書こう。あれてもしらんが。こういう話を書くと必ず場所は? と聞かれるので、これからは出来るだけ場所を限定して書くことにしようと思う。近所に住んでる人ゴメンね。 今から3年半ほど前に仕事で、老人ホームの設計を依頼された。その当時俺は東京のT市に住んでおり(今も同じだが)依頼の場所は、俺の住むT市の隣M市だった。ちょうどその時はH市の病院の増改築工事の設計の仕事をしており、掛け持ちでやる仕事としては、立地的に現場から現場への移動、そして自宅から向かうにも楽な場所であった... 続きを読む
お守り人形
愛知県某郡の超ド田舎出身なんだけど、うちの字(あざ:昔は村単位だった場所)とお隣の字にだけちょっと変わったお雛様の風習がある。 ・息子しか産まれなかった家庭はそこで風習終了。とくに祟りなんかは無い。 ・娘が産まれたら、お雛様とお内裏様の二つのお守り人形を作ることができる。生後どのタイミングで作ってもOK、遅いけど大人になってからでもOK。 ・母親が「作る」行為自体で効果があるので現物を祀ったり持ち歩いたりする必要は無し。 ・お守り人形をもらった娘が結婚したら、お内裏様は夫となった... 続きを読む
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