風習

ゴギョウ様

俺がまだ消防だったころ、母方のじっちゃんの田舎で体験した洒落にならん話。 口止めされていたけど、もう爺ちゃんが他界して十年くらいになるから話す。 関わりたくない人は、読まない方がいい。 話していたら大体バレちゃうから伏せても仕方がないんだけど、じっちゃんは東北地方の、ある町の生まれだ。 このじっちゃんは変わった人で、じっちゃんの癖に好き嫌いが激しい。 特に驚いたのは、ご飯が好きなのにお粥は大嫌いだ。 宗教も大嫌い。 父が新興宗教にハマっていたこともあって宗教嫌いになっていた俺は、身勝手に振る舞うじっちゃん... 続きを読む

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だんだら焼き

小学校の6年生のときの話。 うちの地方では小正月の1月15日に近い土曜日の夕方に、『だんだら焼き』というのをやる。 他のとこでは『どんど焼き』と言うことが多いだろうけど、それのなまった形だと思う。 青竹と藁を組んだやぐらを燃やして、そこで注連飾りや古くなった御札類を焼く。 当時俺は書道の塾に行ってて、そこの生徒達は正月の4日に強制的に書き初めをさせられ、新しい年の目標を書いたのを焼くことになってた。 だんだら焼きは地区ごとに町の4ヶ所でやるんだけど、書道塾の仲間は違う地区のやつでも、本町の神社前でやるメイ... 続きを読む

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離島の風習

実家が離島なんだけどね。 島の中で、大きく分けると部落が二つあんの。まあ、農村と漁村って感じ。 私は農村の方の出身で、漁村の方のしきたりとかあんまり知らないのよ。 (農村は農村で、正月は女は外に出ちゃいけないとか色々あんの) で、漁村出身の友達に聞いた怖い話。 何年かに一度、島の巫女を決めるらしいんだけど、婆さん達がウタキ(神社みたいなとこ)に篭って神様から色々意見を聞いて、ランダムに島の女性の中から選ぶ。 そして一度でも選ばれると、一生島から出られないらしい。 そんな恐ろしいところに18年も住んでいたの... 続きを読む

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上司の昔話

会社の上司の昔話で、十五年くらい前のことだという。 まだ駆け出しだった上司が、某県某町に新設の事務所に配属された。 工場に併設された事務所は市街地を遠く離れた山の中にぽつんとあり、夜には車通りも無い淋しい場所だった。 事務所の前から県道を右にしばらく行くと某町のジャスコに行き当たる。 左にしばらく行くと隣の某村に入るが村の中心部の集落まではしばらくかかる。 そんな立地だった。 その日は仕事を抱え込んで一人残業の末、疲れきって事務所を閉めた。 一人暮らしのアパートへと車を走らせていたところ、うっかり道を間違... 続きを読む

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おさっしゃ

本家の洒落怖を読むといろいろと奇妙な地方の風習が出てきますが、わたしも子どもの頃に土地神への捧げものとなった体験があります。 そのときのことを書いてみます。 わたしの住んでいた所は今は合併で市の一部になりましたが、約三十年前の当時からすでに過疎の進んだ山村でした。 秋祭りにしては遅い十月の初めに「おさっしゃ」と呼ばれるお祭りがありました。 これは漢字にするとどの字を当てるのか未だにわかりません。 これが正式な名前なのですが、村の大人達は里にいるときには、このお祭りのことを「おかえし」とも呼んでいました。 ... 続きを読む

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