風習

ぐるぐる巻きの鐘

あたり一面山だらけ。どこを見渡しても山ばかりという地方の出身です。 小さい頃からお世話になっていたお寺に『鐘』がありました。『鐘』と書いたのには理由がありまして、それは布と縄でぐるぐる巻きにされていたからです。鐘を撞く丸太もついていません。なので、ある程度の年頃になってアニメの一休さんなどを見るようになり、寺の隅の屋根つきの一角にあるべきものは鐘なんだな、ということがわかるようになりますと、そのぐるぐる巻きの中身は鐘なんだろう、と感じるようになるというくらいで、誰も中身を見たことはありませんでした... 続きを読む

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マシャノォ

今は亡き祖父の昔話。祖父と父が混同するので、祖父はAと表する。 Aは村人全員家族っていうような山の集落で育った。夏場は回りの村や町からくる行商などもいるが、冬になると道も雪に埋れてしまう。Aの一族は元来マタギの家系で、冬の間は村のみんなが、祖父の家族が取ってくる動物で食事の大半を賄っていた。その代わりAの家は栄えて、夏の間は遊んで暮らしていたそうだ。 Aが小さい頃は兄弟や親が取ってくる動物に何も疑問も持たなかったが、歳を取るごとにこう思ったそうだ。「こんなに安定してすごい量が取れるのはおかし... 続きを読む

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お守り人形

愛知県某郡の超ド田舎出身なんだけど、うちの字(あざ:昔は村単位だった場所)とお隣の字にだけちょっと変わったお雛様の風習がある。 ・息子しか産まれなかった家庭はそこで風習終了。とくに祟りなんかは無い。 ・娘が産まれたら、お雛様とお内裏様の二つのお守り人形を作ることができる。生後どのタイミングで作ってもOK、遅いけど大人になってからでもOK。 ・母親が「作る」行為自体で効果があるので現物を祀ったり持ち歩いたりする必要は無し。 ・お守り人形をもらった娘が結婚したら、お内裏様は夫となった... 続きを読む

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謝肉祭

俺の実家は東北の超田舎にあるんだけど、数年に一度(具体的な年月日は省く)村全体で謝肉祭をやるんだよね。 その風習? が少し変わっていて、その年に7歳になる子供と16歳以上の未婚の女を別々の籠に入れて、普段は立ち入り禁止になっている山奥の祠? に閉じ込めるの。3日間。でも一つ問題があって、これに選ばれた人間は色々とおかしな事になってしまいました。だから選ばれる人間は必ず村の中で立場の弱い人間が中心に選ばれる。 で、3つ前の祭で問題が起こった。その時祠に入れられる人はもう決まってたんだけど、なぜ... 続きを読む

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キャッシャ

俺の実家の小さな村では、女が死んだ時にお葬式の晩は村の男を10人集め、酒盛りをしながらろうそくや線香を絶やさず燃やし続ける、という風習がある。 ろうそくには決まった形があり仏像を崩した? ような形で、その年の番に抜擢された男のうち最も若い者が彫る。また家の水場や窓には様々な魔除けの品を飾り、それらが外れないよう見張る。番人以外はその夜、たとえ家人であっても家の中に入ってはいけない。他にもいくつか細かい決まりがあるのだが、これらはキャッシャと呼ばれる魔物から遺体を守るために代々受け継がれている風習だ... 続きを読む

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