心霊

扉の隙間

昨夜のことです。 ベッドで上体を起こして携帯を弄ってたら、突然足元で寝てた猫が起き上がって扉に向かって威嚇を始めました。 見てもそこには何もなく、手元に視線を戻したんですが、視界の端にある扉の少しだけ空いていた隙間に子供の顔があったんです。 慌てて視線を向けてもなにもなく、けれど視線を外すとそこにいる。 ホラー映画に出てくるような真っ白い血の気のない顔で、両目のあるべき箇所は真っ黒でした。 床からほんの少し上に、顔だけが浮いてこっちをじっと見てました。 どうしようと思いつつどうしようもなく、ちらちらとたま... 続きを読む

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異音のする家

お嬢様育ちで世間知らずな母が、俺と弟と妹を連れて父と離婚したのは俺が小学校低学年の時。 母の実家が地方都市のそこそこの名家っだったんで、自由で裕福な暮らしが出来ると思ったらしい。 しかし祖父母は激怒し1年足らずで絶縁状態となり家を追い出され、地元でも評判の悪い土建屋のオッサンと再婚した。 オッサンはいかにも成金で趣味の悪い男だったが、両親に絶縁され頼る者が無かった母からすれば最高の男だったんだと思う。 しばらくのホテル暮らしのあと、オッサンの家に引っ越す事になった。 オッサンの家は無理に増改築をしたのか、... 続きを読む

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障子

子供(小学校高学年)の頃の話。 当時、自分の部屋は畳と障子のバリバリの和室で、布団を敷いて寝る生活だった。 ある晩、高熱を出して寝込んでいた自分は、真夜中にふと目が覚めた。 寝込んでるときって日中もずっと寝てるから、変な時間に目が覚めるんだよな。 当然、電気も消えてるし障子も閉め切ってるから、部屋の中は真っ暗。 でも真っ暗な中でも、目が慣れてくるとある程度(外の明かりもあって)部屋の様子が見えてくる。 そんな状態で、ぼーっと寝たまま障子の方を見ていた。 なんだか部屋の様子が変な気がした。 いつも見慣れてる... 続きを読む

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2人組の男女と甲冑集団

次にお話させて頂くのも、引き続きAさんの体験談です。 これも戦前の体験だそうですが、この話をしていた時のAさんはしたたかに酔っていました。 ですので、実際の体験とは異なる部分が入っているかも知れません。 前回の話から時は流れ、Aさんは17,8歳位になっていました。 そんなAさん。 ある日用事があって山道を歩いていました。 昔の人というのは凄いもので、峠の5つや6つは休み無しでも平気で歩いたそうです。 初夏の日差しを浴びながら、もうひと踏ん張りで峠の頂上だ…と考えていたのですが、その時、妙な音が聞こえてきま... 続きを読む

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下水管

この話はアルバイトを通して親しくなった森脇さんという人が、休憩室で時間を潰していた時に、私に話してくれたお話なんです。 普段はひょうひょうとして、人を笑わせたりおもしろい話をする森脇さんなんですが、この日はやけにマジメな顔をして、私に話をしてくれたんです。 この森脇さんは東京の下町生まれです。 森脇さんがまだ小学校の1年生の時。 季節は夏、そろそろ夏休みが終わる頃でした。 住んでいる場所の近くに、広い空き地があったんです。 夏草が4、50センチも生い茂る、広場だったんです。 その草が生い茂る広場に、いつの... 続きを読む

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