小学生の頃、夏休みはよく母の実家に遊びに行っていた。 祖父母は優しくて小遣いをしこたまくれたから毎年行くのが楽しみだった。 あれは小五の夏だった。 塾に通わせようとする親を振り切るようにして田舎へ来た。 しかし親の方が一枚上手でそこから通える塾に入る手続きをされてしまい、お陰で毎日塾通いする羽目になってしまった。 朝8時に祖父母の家を出て最寄りのバス停まで10分ほど歩き駅前の塾へという日々であまり遊んだり出来ず不満だったが、祖父が交通費をたっぷりくるたので帰りに買い食いしたりゲーセン寄ったりする楽しみはあ... 続きを読む
心霊
立入禁止の神社
俺が死ぬほど怖かっただけだぞ!!! 期待するなよ!!!!!! 俺の家、というか引っ越す前の家(つっても今は祖母祖父が住んでるんだが)は物凄く古い。 おまけに完全圏外。 壁と壁の間に猫が挟まるなんてしょっちゅう。 当時の俺はとにかくこの家が嫌いだった。 しかもそこの地区は凄い田舎でコンビニはないわ自販機はないわで結構不便なとこだった。 とりあえず俺らガキは山登って秘密基地とかツリーハウスとかブランコとか作って遊ぶしかないし、老いたジジババはやたら怖いし、とにかく最悪だった。 そんなんでも 毎日楽しく過ごして... 続きを読む
手が伸びる
北陸方面の岩峰に、8年前の夏に登ったときの話。 本格登山じゃなくロープウエーを使った軟弱登山。 本当は麓から登りたかったんだが、休みの関係でどうしようもなかった。 5時間ほど稜線を歩いて山小屋で一泊して帰る予定だった。 有名な山だと人出でにぎわってる時期だけど、ここは予想通りそんなに人がいなくて、10時のロープウエイも数人しか乗ってなかった。 山頂駅から少し歩いて稜線に出るとあとはずっと岩場で、前に登山者の姿がちらほら見えた。 天気は晴れの予報で、このときは実際日差しがまぶしいくらいだった。 前の二人連れ... 続きを読む
角田の森
あれは小学6年の夏休みの事でした。 友人のHとTが角田の森で遊んでいた時、Hが奥の廃屋へ行ってみようと言い出したそうです。 当時、私達は角田の森でよく遊んでいましたが、それは道路に面した崖の様に反り立った部分から飛び降りたり、木のツルにぶら下がってターザンの真似事をしたりといったもので、森の中へ入る事はありませんでした。 もちろん廃屋があることは知っていましたし、一部の怖いもの知らずの先輩や同学年の子がその廃屋に忍び込んで何かを見たという噂も聞いてはいましたが。 まだ日の高い日中でしたが、Tはどちらかとい... 続きを読む
引越し先の天井裏
これは友人に聞いたとかではなく、マジに俺自身が体験した話。 バイトで知り合った友達が、引越しをするというので手伝った。 そいつは一人暮らしで荷物もそんなにないし、引越し先も元の家から車で30分くらいの距離な上、俺もそいつも引越しの経験が有るので段取りは大体解っていたから、要領よく済ませることができた。 レンタカーを借り、朝から始めて夕方にはほとんど終わっていた。 その日はそいつの新居に泊まるつもりだったので、外で飯を食った帰りに酒を買ってきて、荷解きしたり駄弁ったりしてたが、昼間の疲れが出たのだろう、10... 続きを読む
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