幽霊や怨霊にまつわる怪異

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地厄(じんやく)

ちょっと今から25年前の、小学3年生だった頃の話を聞いてくれ。 C村っていう所に住んでたんだけど、Tちゃんっていう同い年の女の子が引っ越してきたんだ。 凄く明るくて元気一杯な女の子だった。 んで、このTちゃんは霊感が強いとかのレベルではないくらいに、霊力とも言うべきものを持ってたんだ。 正直、ここまで書いただけで、近隣に住んでいた人なら「知ってる!」っていうくらい、地元では有名な子だったよ。 俺、同じクラスだったんだけど、小学3年生だとそんな話ウソって思うわけで、俺ももちろん信じてなかった。 で、Tちゃん... 続きを読む

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「気づいてらっしゃらないんですか?」

霊感がまったく無い私ですが、先日ほんのり怖い思いをしました。 あれは去年の秋頃だったと思います。 夕暮れ時、近所に買い物に出た私は、ふと、その日がいつも買っている雑誌の発売日だったことを思い出し、本屋へと足を向けました。 本屋はスーパーに隣接するビルの最上階にあり、連絡通路からスーパーへと抜けられる構造になっています。 雑誌を買い、私はスーパーへと行こうと連絡通路に向かいました。 そのときです。 「すいません」と声を掛けられ、振り向くと知らない中年女性がそこに立っていました。 まったく見覚えの無い女性は、... 続きを読む

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蛍狩り

僕が大学生だった頃、バイト先だったバーのお客さんの話です。 Kさんは、その店にわりとよく来るお客さんで、当時20代後半の会社員。 僕と同じ茨城出身の人でした。 ちょうど今頃の季節で“蛍”が話題にのぼり、 「僕の地元は2、3年前までいっぱいいましたよ」 「俺の実家の近くじゃ、全然見れないんだよな。いいなぁ、蛍。見てえなぁ」 と話をしたのです。 一月ほど後。 久しぶりに店に顔を出したKさんが、他のお客さんがひけた頃合いをみて、 「笑ってくれてもいいんだけど……」 といって、ポツポツと淡々とマスターと僕に語りは... 続きを読む

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危ない橋

高校生時代、陸上部で短距離走をやっていた俺は、夜学校が閉まってからも練習をする熱心なスポーツマンであった。 といっても、学校内に残って練習するわけではなく、自宅周辺の道路を走るのである。 中でも練習に好都合な場所は、100メートル程の長さのある橋の歩道であった。 住宅地では不可能な100メートルダッシュの練習が、思いっきりできたのだ。 だがその橋には縁起の悪い問題があった。 自殺である。 河を渡るために30メートル程の高さがあるその橋は、街灯も少なく、投身自殺者にとっても絶好のポイントだったのである。 実... 続きを読む

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ミキちゃん

俺は東京で働いていて家庭を持ってたんだが、2年前からちょっとキツイ病気になって、入退院をくり返して会社をクビにされた。 これが主な原因なんだが、その他にもあれこれあって女房と離婚した。 子供は女の子が二人いるんだが、俺が生活能力がないんで女房が育ててる。 申し訳ないと思ってるが、今のとこ養育費なんかも払えないでいる。 それでなんとか病気のほうは小康を得て、今は郷里に帰ってきて療養している。 療養というと聞こえがいいが、実際は年老いた両親の元に一文無しで帰ってきたやっかい者だから、当然、近所も親戚の評判もよ... 続きを読む

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