九死霊

小学生の時の話。

当時大阪の南の方、ほぼ和歌山に近い場所に住んでたんだけど、メチャクチャ田舎で、1学年に1クラス20人ぐらいしかいない学校に通ってたの。
大阪が都会だと思ってる奴はアホ。
そんな学校だから皆仲良くてイジメとかもなく、放課後にはクラス皆で遊んだりしてた。
田舎だったから山に行ったり海に行ったり川に行ったり、色んな場所で遊んでたけどやっぱり飽きてくるわけ。
そんな時にクラスメートの一人が、お爺ちゃんの家を秘密基地にしようって言い出した。
その家は、その子の祖母が他界してて祖父しか住んでなく、離れ??みたいな所を使ってないから、そこを遊び場として提供してくれた。

皆家から色々な物を集めてきたり、使わなくなった机とかもらって持っていったりして、普通に住めるレベルの部屋になった。
それからは皆そこに一旦集まって、それから何して遊ぶか、何処に行くかとか決めてた。

ある時、皆で秘密基地に泊まろうって話になった。
親達は反対してたけど、そこの家のお爺ちゃんが見てくれるって事と、田舎だったから他所から人が来ないしって事で、しぶしぶ賛成して泊まる事になった。
どうしても駄目だって家もあって、集まったのは10人ぐらいになってたかな。
朝から荷物持って行って、お昼はお爺ちゃんが作ってくれてたそうめんを皆で流しこんで、また遊んでた。
夜もお爺ちゃんがカレーを作ってくれて皆で食べた後、4グループに別れて風呂も入って皆で騒いでた。

一人の子が、今から山行ってかぶと虫取ろうって言い出して、男4人で山に行くことになった。
山道までは灯りがポツンポツンとあるぐらいで、明るくも無く暗くも無いって感じだったんだけど、皆行き慣れた道だから怖くは無かった。
いつもかぶと虫を取ってたスポットに着いてからは皆バラバラに行動して、かぶと虫やらクワガタを取りまくってた。

そろそろ帰ろーってなって山道降りてたら、
「ガコーン、ガコーン」
って音が聞こえてきた。
山の中だったから響いててどの方向から聞こえてきてるかもわからず、皆で何の音だろとか言いながらまたゆっくり山道を下ってた。
少し歩いてると音が聞こえて、
「ボコーン、ボコーン」
さっきと音が違ってた。
少し籠ってるような、穴の中で何かを叩いてるような音に変わってて、少ししたらまた、
「パコーン、パコーン」
音が軽くなってる?感じ。
「ポコーン、ポコーン」
また軽くなった。
「コーン、コーン」
また。
「コンコンコンコンコン」
この音ぐらいで俺らもヤバイと思って、走って山道降りてた。

走ってたから気付かなかったのかわからないけど、音が鳴ってなかった。
家の明かりが見えて安心して、走るのをやめて皆で歩いてると、
すぐ真後ろ辺りから
「コン・・・コン・・・」
って聞こえてきた。
振り向いてみたけど何も無くて、他の三人には聞こえて無いみたいだった。
石か何かが転がったのか?とか思いながら歩いてると、家に着いた。
せっかく風呂入ったのに虫取り行って走って汗だくになったから、もっかい風呂入ろうって事になって、二人ずつ入る事になった。

614 本当にあった怖い名無し 2011/11/14(月) 15:22:48.36 ID:jDMebtd10

それは恐らく九死霊(きゅうしりょう)と呼ばれる現象だと思う。
無事に逃げられて良かったね。
そのままぼけっとしていると、霊門が開いて、ありとあらゆる生命体を引きずり込むブラックホールが誕生するらしいよ。
九死霊門とか急死霊門と呼ばれて、一部の地方で恐れられている。

俺の育った地域の近くの村では、この九死霊門に関する言い伝えが古くからあって、木を叩くような音(音については諸説ある)が遠くで聞こえ初め、八方向から徐々に追いつめるように近づいてきて、最後に霊門が突然開き、内側に引きずり込まれるという内容だったような気がする。
八方向の死霊が人などの動物を一カ所に追いつめ、追いつめられた先に九番目の死霊が内側から霊門を開く、という言い伝えから付けられた名前だったと思う。
魂を引きずり込まれたことを持って開門し、その後一定期間、その霊門に近づくあらゆる生命体を飲み込み尽くす。
そしていつの間にか元通りに霊門が閉じるとのこと。
本当かどうかは知らないけど、不自然なほど一カ所に動物の死骸が並んでいる事があって、そういう伝説が囁かれるようになったようだ。
俺は個人的に有毒ガスが噴出して、あらゆる生命体を死に至らしめたのではないかと思っているのだが。

627 本当にあった怖い名無し 2011/11/14(月) 22:10:22.43 ID:6cA0W+7R0

※参考
九死霊門

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