趣味は釣りで、古い車に乗ってる俺。 月に2~3回、釣りの定宿に行くために深夜に山道を走る。 ラジオもクーラーもない車、スマホでラジコをかけながら走る。 昔のボロい車だからエンジン音がうるさくて、満足にラジコの音は聞こえない。 でも深夜に一人山道を抜けるのは淋しいから、いつもラジコをかけていた。 ラジオっていうのは喋る人によって声の通り方が全然違う。 野球解説するようなプロアナウンサー達だとこんな状況でも比較的声は聞こえ、普通の芸能人とかだとあまり聞こえない。 ある日から決まった山道のある地点を2時半ころに... 続きを読む
犬の軍団
小学生だった時の話。 たしか二年生か三年生くらいの時だったと思います。 いつもは近所の子と一緒に登校するんですがその日はお休みで、私一人で家を出て途中で違う地区の子達と合流して登校する予定でした。 凄く田舎なので極力一人登校しないようにっていう決まりだったんです。 だからいつもより早めに家を出て、歩いて十分くらいの合流地点まで向かう途中でした。 そこで犬の軍団に会ったんです。 軍団って行っても5匹なんですが、小学生の中でも特に小柄な私から見るとすごい迫力だったのを覚えてます。 一瞬ビクッとなったんですが、... 続きを読む
蔵の石
解体屋でバイトしてたんだけど、家屋解体してるといろんな変わった家や変わったもんが出てくる。 山の方の古民家や古民家はアツい。 押入れの中に骨がギュウギュウに入ってたり、漆喰っていうか塗り物の壁の中に、長い髪の毛が入ってたり、家の真ん中に入口のない部屋があって、そこに小さい鳥居が立ってたり。 結局は何でもかんでも壊してダンプに乗せて捨てちゃうんだけどな。 余りにも気味の悪いもんや縁起モンは酒と塩かけて……まあ結局は捨てるw そんな中でもある日、某渓谷のとある古くからの豪邸を壊す仕事を持ちかけられた。 そして... 続きを読む
部活の同窓会
震災のあった年、俺は地元から県を二つくらいまたいだ街に出向してた。 クソ暑い時だったから8月か9月じゃなかったかと思う。 そんなある日の仕事帰り、その街の駅前で声をかけられた。 声をかけてきたのは高校の時以来久しぶりな地元の友人。 友人は痩せてはいたけど間違いなく同じ部活にいたAだったと記憶している。 こんな地元にゆかりもないところで旧友と会えたことにテンションが上がって飲みに誘ったが、俺いま酒飲めないんだ、というAの言葉に、一緒に駅前の喫茶店に誘ってコーヒーを飲んだ。 誘った手前、俺がAに確認して注文を... 続きを読む
お姉さんと会社員
小四の時、新興住宅地へ越した。 近所に二つ上のお姉さんがいて、すぐに仲良くなった。 小さい住宅地で子供が少なかったせいもあるんだろう。 近い世代は俺とそのお姉さんしかいなかった。 小学生の頃は一緒に遊んでもらったし、お姉さんが中学へ上がっても外で行き合えば挨拶をしてくれた。 高校になり、俺は塾通いをし始めた。 終わると俺はよく住宅地の裏手にある高台の公園で休んでた。パンを食ったりジュースも飲んで、ゲームをしたり。 要するに息抜き。 高一の九月、夏休みが明けてしばらく経ったある日、いつものように夜、その公園... 続きを読む
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