あんまり怖くなかったらすまん。 ちょっと気になることが立て続けにあったんで聞いてほしいんだ。 自分は子供の頃からオカルトの類が大好きでな、図書館なんかで読んでたのは、いっつも日本の民話や世界の昔話の怖いやつばっかりだった。 四国の片田舎で育ったから、遊び場は神社や昔の塚。 小高い丘になってて、中腹に横穴が掘られてて、中に何かを祭ってたり、戦時中は防空壕として使われてたりしてた。 ばちあたりというか、怖いもの知らずというか、そういうところに入り込んでは日が沈むまでやんちゃして。 つまり、自分は怖いものは大好... 続きを読む
スカートめくり
あんまり怖くないかもしれないけど、昔、叔父さんから聞いた話です。 叔父(以後、S治)が小3の時、クラスにN谷さんという子がいた。 N谷さんは掃除していない奴に進んで「ちょっと!」とか言いに行くクラスの委員長っぽい性格で、女子の友達は多いけど一部男子からはちょっと疎まれやすい感じの子だったらしい。 S治はわりと大人しく、真面目な学生だったということで、N谷さんに怒られることもなかったし、遠足の班が一緒だったこともあって仲良くしていたらしい。 二学期になった頃、S治はいきなりN谷さんに誘われて、交換ノートをし... 続きを読む
後悔の念
ちょっと落ち着いたけど、現在進行系の話。 長いけど、まぁ聞いて下さい。 オレは過去に二度、女の子を中絶させたことがある。 一度目は完全に避妊ミス。17の若かかりしころ。 二度目は23の時。 2年程付き合った彼女なんだけど、オレは結婚を意識してた。 子供できてもいいやとか思って、結婚の約束をした訳でもないのに、思いっきり中に出してた。 拒否しないから、彼女もオッケーなんだと思ってた。 案の定、彼女は妊娠し、オレはそれをキッカケに結婚してくれと言った。 もちろんオッケー……だと思っていたら、なんと親からもちか... 続きを読む
穴倉
私は現在、ある地方大学医学部に在籍している者ですが、オカルトではありませんが、医学部にはいろいろと不気味な場所が存在します。 そのなかの一つ、『法医学研究室第一標本室』のお話です。 私の住む地方には検視監制度がなく、いわゆる異状死体は、全て大学の法医学教室に搬送され、司法ないしは行政解剖が行われます。 それはそれは様々な異状死体が運び込まれてくるわけで、中には練磨の法医学教室のメンバーでさえ、目を覆いたくなるような無惨なものもあります。 これらの異状死体は証拠写真を撮影された後解剖され、遺族のもとに返され... 続きを読む
工事現場の夜
Nさんは鋼材関係の専門の現場作業員だ。 会社勤めではないが、いろいろと資格を持っているせいで大手企業の下請けや手伝いをやっている。 人集めを任されることもあるが、そんな時、親しい仲間を誘うのは極力避けるようにしている。 ある時、Nさんにその訳を聞いた。 すると、少し間をおいて、こんな話を聞かせてくれた。 昔、山あいの村で橋の架け替え工事の手伝いをした事がある。 親しい相方と二人、民宿に泊まり込みで現場に通っていた。 俺達の担当は橋桁の上に掛かるアーチ部分の工事だった。 谷の両岸から緩いカーブを描く角筒状の... 続きを読む
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