子供の頃の話。 結構山奥に住んでいた時代があった。 まだ小学校の三、四年あたりの遊びまっさかりのガキで、本当の田舎で山しかなく、その好奇心を山へ持ってって発散させてた。 そういうふうに田舎暮らしを満喫させてた俺は、その年の夏休みだったか『叩き屋』の話を聞いた。 友達は具体的にはそれが何かを教えず、昼に行ってみることにした。 そこは墓地とかが作られるような平地になってた。 現にボツボツと墓が見られたが、別に気味悪いとかそういうものはなかった。 すでに同年代のガキがわんさか集まっていて小銭を渡していた。 俺も... 続きを読む
田舎
アメリカの老人
今からもう十数年前、私が仕事でアメリカへ行ったときに聞いた話をします。 (具体的な内容は個人が特定されそうなので書けません、ご了承ください) 当時、アメリカの企業と日本の企業が共同でとある実験施設を作る計画が立ち上がった。 私の会社はそこに大きな機械をいくつも納入する事になったため、私を含め会社の10名ほどが現地の視察や今後の打ち合わせをするために向かう事になった。 場所はアメリカ中部の砂漠地帯、かなりの田舎にある場所で、周囲には寂れた町が一つあるだけだった。 その町に到着して3日ほどしたある日。 丁度私... 続きを読む
蛇田
自分らの地域で実際にあった出来事なんだけど、落ちも何もないんでここに書く。 自分の住んでるところは田舎の中核都市。田んぼはなくなってくけど家はあんまり建たず人口は増えも減りもせず、郊外に大型店はできるものの駅前の小売店は軒並みシャッターを閉めてるようなところだ。家のまわりも田んぼだったんだが県立大学のキャンパスが分かれて移ってくるってんで、そのあたりだけ急にバタバタと建物ができた。学生めあてのアパートが多いんだが、その他にも飲食店とかいろいろだな。 田んぼの中に一枚だけ地元では「蛇田」と呼ば... 続きを読む
かなめさま
長くなるがどうか聞いて欲しい。 俺がむかし住んでいた場所はド田舎で、町という名前は付いていたが山間の村落みたいなところだった。 家の裏手の方に山道があり、そこに「かなめさま」のお堂があった。 もともとは道祖神だったらしいが隣町への道路が整備されてから山道自体が使われなくなり通る人も絶えて寂れてしまった。 かわりにというか、いつ頃からか「かなめさま」に身をしのんで人に言えないような悩みを打ち明け、願をかける慣習ができた。 そんな成り立ちも今にして思うだけで、俺がガキの頃はとにかく「かなめさま」... 続きを読む
三角屋敷
現在はもうその土地を引越して住んでおりません。 いつのころかあるのかは知りません。 私が小学校に通い始め、物心ついたころにはその家はすでにありました。 結構田舎で学校に通うのにあぜ道を毎日通っていました。 その途中にある一軒の家の話です。 その家は昔からあるというわけではなく、和風建築の割と新しい家でした。 小学校1年~5年生までの間はなんの噂もなく、私も気にとめておりませんでした。 5年生の夏の時期にA君が転校してきてから、その家が何なのか分かりました。 その家の話を書く前にひとつ予... 続きを読む
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