集落

ヤマキの墓

随分昔のことなので細かいところまで覚えていませんが、思い出しながら書いてみます。 家の近所に、子供達に『ヤマキの墓』と言われている古い慰霊碑みたいなのがありました。 高さ1m位の自然石を石の土台に立てた感じでした。 随分古いものらしく、表面は苔むしていて何と書いてあるか読めませんが、薄暗い藪を少し入った所にあることや、時々お供え物が置いてあったりと、子供ながらに畏怖を感じさせるたたずまいがあり、内容は覚えていませんが、怪談話とかもあったと思います。 さて、小学校五年生頃の事です。 仲間同士で、慰霊碑のある... 続きを読む

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祖母の習慣

俺の祖母には、毎日朝早く一人で散歩に行く習慣があった。 その時には必ず双眼鏡を持っていく。 その理由を尋ねた時にこんな話をしてくれた。 祖母がまだ幼いときの話だが、ある日の早朝にたまたま目が覚めて家の外に出ると、はるか遠方、山の間に巨大な何かが顔を出していることに気づいたという。 呆然と眺めているうちに、それがこちら側にどんどん近づいていることがわかって、祖母はすぐに両親を起こしたそうだ。 両親もそれを見て驚き、3人で手分けして集落中に伝えて回った。 最終的に、集落の人々を全員集めてできるだけ遠くに避難す... 続きを読む

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もう一つの池の噂

学生の頃溜まり場になっていた神社の話だけど需要ある? 山の中にある神社の歩道に池があるんだけど、噂でもう一つ池がある、って聞いてそれを探しに行く話。 俺の通っていた高校は山の頂上にあった。 家が海沿いなんで高校までは一時間弱チャリを立ち漕ぎで漕がないといけなかった。 もちろん帰り道はその逆であっと言う間に家についた。 ある日友達と別ルートから帰ろうと適当にチャリ漕いでいたら広い公園についた。 公園と言うよりも山を切り開いた広場みたいな感じ。 その公園から抜け道はないかぐるっと一周してたら細い獣道を発見した... 続きを読む

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立入禁止の神社

俺が死ぬほど怖かっただけだぞ!!! 期待するなよ!!!!!! 俺の家、というか引っ越す前の家(つっても今は祖母祖父が住んでるんだが)は物凄く古い。 おまけに完全圏外。 壁と壁の間に猫が挟まるなんてしょっちゅう。 当時の俺はとにかくこの家が嫌いだった。 しかもそこの地区は凄い田舎でコンビニはないわ自販機はないわで結構不便なとこだった。 とりあえず俺らガキは山登って秘密基地とかツリーハウスとかブランコとか作って遊ぶしかないし、老いたジジババはやたら怖いし、とにかく最悪だった。 そんなんでも 毎日楽しく過ごして... 続きを読む

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きじょさん

ウチの実家のあたりで昔からの迷信みたいなもので、『きじょさん』って呼ばれてるモノがいる。 葬儀帰りに、家に入る前に清めの塩を振るってのがあるが、地元では、葬儀帰りに塩で清めた後、必ず履物を外側に向けて揃えて脱いで家に上がるという風習がある。 そうしなければ、きじょさんが家まで上がり込んで来てしまうことがあるのだという。 仮に、きじょさんが家に上がり込んで来てしまうとどうなるか? 葬儀の夜、その人間の夢枕に、黒く塗りつぶされた顔に黒尽くめの喪装の人物が現れる。 夢枕に立ったその人物(きじょさん)は問いかける... 続きを読む

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