田舎

ケンケン

田舎住まいなので、通学するときにはいつも田んぼの脇道を通っていた。 その日も家に帰る為、いつものように田んぼの脇道を、カエルの鳴声を聞きながら歩いていた。 すると田んぼの中に、ピンク色の割烹着のような服を着た人が立っているのに気が付く。 「ああ、田植えか何かしているんだな」 そう思って良く見てみると、何か動きがおかしい。 片足で腰をクネクネさせながら、白いビニールの紐のようなものを、新体操をしているかのように、体の回りでグルグルさせている。 何と言うか、フラフープをしているような、そんな動き。 変な汗が、... 続きを読む

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牛蒡種

これは俺が育った田舎町の話。 まわりは山に囲まれてる普通の田舎の町。 田舎ゆえなのか閉鎖的な町で、就職も進学も家から通うのが普通だったんだけど、俺はそれが嫌で高校卒業して関東の学校に進学決めて田舎を離れた。 その田舎での話なんだけど、そこで生活していた俺はさほど怖くはないが、他とは違う特色というか独特な一族がいたので話します。 『牛蒡種(ごぼうだね)』って聞いた事ありますか? ネットでググると出てきます。 自分が小さい頃は『憑き物』をあやつる一族って聞いてたんだけど、ググると『邪視』の部類らしい。 ってい... 続きを読む

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通学路の釣り人

ある地方の村で起こった話。 その村、山中に這うように細長く民家が点在する、いわゆる寒村だ。 人口は少ない。 当然、子供も少ない。 村に住む少数の小学生たちは、山道を4Kmも下った小学校まで毎日歩いて登校していた。 小学校までの道のりは、彼等にとってさほど苦痛ではなかった。 年上の子供が年下の子の面倒をよく見ながら、他愛のない会話に盛り上がり、コロコロ笑いながら日々の登下校を繰り返す。 自動車のすれ違うのも難しいほど細い道を、彼等は毎日歩いていた。 ある冬の初め、子供たちはひとりの男に出会った。 男は釣り人... 続きを読む

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霊魂を迎える行事

先日体験したばっかりの霊体験。 自分の実家は西日本の漁村だ。 正直田舎、それもかなりの。 ご先祖様の霊魂をお迎えし、また送り出すという盆の行事も勿論普通に行われてる。 うちの村の場合なんだが、海岸から沖に向かって防波堤が伸びてて、この一番先に門(と言っても大人が屈んでくぐれるくらいの木枠)をこさえて、その門から毎年8/7に霊魂を迎える。 防波堤は岩を敷き詰めて作ったもので、盆の間は魂の通り道になるから、生きた人は近づいちゃいけないことになってる。 8/8から8/14までは、その海の目の前にある寺の墓に、行... 続きを読む

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ガキ大将

昨日、今日と帰省してきた。 俺の郷里ってのが海と山に挟まれた小さな町で、スーパーくらいはあるけど、山を越えないとデパートとか、そもそもが駅さえ無いようなドイナカなのな。 子供時分も、山側と海側に小学校が一校づつ、海側に中学校が一校しか無くて、それ以外に隣り合う校区ってのが無い、小さな小さな世界で暮らしてきたわけ。 そんで俺は海側の人間で、中学に進級すると山の奴らとも同じ学校になるわけだけど、とにかく奴ら、排他的っていうか、全員が同じ一族みたいな気味悪さがあってさ。 人数が俺ら海側の1/4くらいしかいなかっ... 続きを読む

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