私の故郷に伝わっていた『禁后』というものにまつわる話です。どう読むのかは最後までわかりませんでしたが、私たちの間では『パンドラ』と呼ばれていました。 私が生まれ育った町は、静かでのどかな田舎町でした。目立った遊び場などもない寂れた町だったのですが、一つだけとても目を引くものがありました。町の外れ、たんぼが延々と続く道にぽつんと建っている、一軒の空き家です。長らく誰も住んでいなかったようでかなりボロく、古くさい田舎町の中でも一際古さを感じさせるような家でした。 それだけなら単なる古い空き家…で... 続きを読む

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