心霊

魔除けの猫

就職で初めて一人暮らしを始めた頃、慣れない生活のせいか、どうもいつもダルくて辛かった。 寝ても熟睡できてないのか、目覚めた時に寝る前よりも疲れてる感じ。 ある日どうしても起きれなくて、体調不良という事で仕事を休んで寝てたんだけど、ドアの外で野良猫がンァーンァー鳴いててうるさくて眠れない。 その猫は引っ越しした当初からアパートの周りをウロウロしていて、俺が部屋のドアを開けるとすぐ入って来ようとしたりしてた。 多分、前の住人が置き去りにしたんだと思ってたけど、もともとペット飼っちゃいけないアパートだし、猫飼っ... 続きを読む

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霊とじいさん

小学生の頃の話。 祖父母の家は田舎のそこそこでかいお屋敷で、家の周りをぐるっと漆喰の壁で囲まれてたんだ。 道路からは田んぼの畦道を通って裏口から入るのが最短ルートなんだけど、裏口の門の近くの漆喰に、右半身がめりこんだ状態の女性が昼夜問わずにいたんだ。 黒髪で、白っぽい長袖ワンピースみたいな格好で、全体的に薄い。 昼間は我慢できるんだけど、夜はまじで無理!って感じだった。 でもある日、じいさんがグズる俺にキレて、漆喰の壁をバンバン叩きながら 「どこにそんなんがおるんじゃ! わしにゃ何も見えんぞ!」 とか言わ... 続きを読む

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ピー助のタンポポ

あまり心霊と関係無いかもしれないけど……。 小さい頃、夏祭りで親に泣いてだだこねてヒヨコを買ってもらった。 私はその場で「ぴー助」と名前を付けた。 凄くかわいかったが、夏祭りで売ってる動物は大抵短命で、ピー助も例に漏れず一週間足らずで死んでしまった。 死んだ日はショックで学校にも行けず、ずっと家で一人で(親共働き)ピー助を抱いて泣いていた。 帰ってきた母が 「いつまでもメソメソしててもピー助は戻ってこないよ。早く泣くのやめて、うちの畑に埋めてあげな。そうしたほうがピー助も喜ぶよ」 と言うので、私はピー助を... 続きを読む

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Y子の思い出

遠い昔、小学2年生の時に体験した実話。 夏休みのあと2学期がはじまり学校へ行くと、教室の窓際の机の上に花が置かれていた。 まだガキだった僕はその意味を知らず気にも留めなかったのだが、家に帰ってその話をすると母が 「夏休み中に誰か亡くなったのかな? 可哀想に」 という話。 翌日学校へ行くと、あの花はもう無くなっていて席にはY子が座っている。 「昨日、花無かった?」 とさりげなく聞いても 「知らない」 という返事。 1学期から誰かが欠けていないかクラスの連中を見渡しても誰も欠けていなくて、あの花は見間違いだっ... 続きを読む

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イギリスのホテル

高2の夏、イギリスでホームステイをしてた。 同じ学校から8人参加していて、日本に帰る前日はロンドンの結構立派なホテルに泊まった。 2名1室で、隣同士の部屋、離れた階の部屋、さらに離れた階の部屋の4室に分かれることになり、自分と同じ部屋になったAさんは、一番離れた部屋の鍵をもらって部屋に向かった。 数年たった今なら、家具の配置なんかが心理的によくなかったのかなぁ、と思うのだが当時はドアを開けて部屋を見た瞬間、綺麗なんだけれど、よく分からない気持ち悪さがして何だかそわそわした。 まぁそんな事をAさんに言うのも... 続きを読む

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