あまり心霊と関係無いかもしれないけど……。
小さい頃、夏祭りで親に泣いてだだこねてヒヨコを買ってもらった。
私はその場で「ぴー助」と名前を付けた。
凄くかわいかったが、夏祭りで売ってる動物は大抵短命で、ピー助も例に漏れず一週間足らずで死んでしまった。
死んだ日はショックで学校にも行けず、ずっと家で一人で(親共働き)ピー助を抱いて泣いていた。
帰ってきた母が
「いつまでもメソメソしててもピー助は戻ってこないよ。早く泣くのやめて、うちの畑に埋めてあげな。そうしたほうがピー助も喜ぶよ」
と言うので、私はピー助を畑に埋め、目印にそこに小枝を立てた。
次の日から学校へ行き、帰りには必ずピー助のお墓に寄って、道端で見つけた花なんかを供えていた。
が、ある時、目印の小枝が抜けてしまったらしく、お墓の場所がわからなくなった。
仕方ないので私は「多分ここ」という位置に花を供え続けたが、冬になってそれほど花も見かけなくなり、「多分ここ」の位置で手を合わせるだけになった。
お墓へ行く回数も、週に一回くらいになった。
やがて春先になり、うちの玄関にあった観葉植物の土に小さな花が咲いた。
私は早速ピー助に供えようと、花を持って畑へ行って驚いた。
まだタンポポが咲くには早い時期だというのに、一箇所だけ、背の低い真っ黄色のタンポポが密集して咲いてる場所があった。
それが、丁度ピー助の大きさくらいの範囲。
「ピー助はここにいる!」
直感でそう思った私は、そこに小さな花を置き、いつもより長く手を合わせた。
鮮やかなタンポポがピー助の色みたいで、愛おしかった。
私はそれを
「ピー助のタンポポ」
と呼ぶことにした。
大学生になった今でも、帰省したら必ずそこに行く。
季節が合えば、ピー助のタンポポはいまだにそこに咲いている。
90 本当にあった怖い名無し 2007/07/23(月) 13:27:40 ID:J89bZABM0
ステキ!
心の優しい人