あのさー昔(消防の頃)、家の横の家の熟年夫婦がさあ、よく喧嘩してたんだよ。 夜中に「殺すぞ!」とか怒鳴り声が聞こえてきてさ、食器が割れる音やらね。 とにかく凄く激しい夫婦喧嘩だった。 近所迷惑だったしさ、でも野次馬な自分は、部屋の電気を暗くして、横の家の覗きが趣味になっていた。 その日も、夜中激しい喧嘩がはじまったから、電気を消してそ~っと覗いてたんだよ。 横の家さあ、カーテンをいつも開けてるから、俺の部屋からはおもしろいぐらい丸見えなんだよね。 オバサンがフライパンでオヤジを殴ったり、ヒステリーに食器を... 続きを読む
人物にまつわる怪異
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団地の婆さん
伊集院光が昔アルバイトしてたスーパーがある団地での話。 今から十数年前のことになるが、当時小学校低学年だった俺は友達数人と団地内で遊んでいた。 缶蹴りだったかドロケイだったかなんだか詳細は忘れたが、まあそんなことして遊んでいたんだよ。 そうして遊んでいたら、俺たちの方に向かって一人の婆さんがとぼとぼ歩いて近づいてきた。 そして唐突に俺らに話しかけてくる。 「あなた達、楽しそうねぇ。おうちは近いのかしら?私お散歩してたらおうちがわからなくなっちゃったの。あなた達、私のおうちどこだか知らないかしら?」 完全に... 続きを読む
大人のお化け屋敷
私の住んでいた街の神社の夏祭りは結構大きく、いろんな屋台の他にお化け屋敷・バイク曲芸なども来ていた。 なかでも『大人のお化け屋敷』と題された催し物は、私たちの間で「子供は見ちゃいけないくらいグロテスクらしい」と噂になっていた。 お化け屋敷の小屋の外には、かなりいかがわしい絵の看板が打ちつけられていた。 なぜか全裸の下半身が蛸の女とか、化け物に襲われている女の絵もやはり着衣がかなり乱れていていろいろ丸見えだった絵だった気がする。 そして毎年、ノートルダムのせむし男みたいな小男が不気味な客寄せの口上を述べてい... 続きを読む
K県の廃病院
俺の友達が体験した、ちょっと怖い話を書きます。 俺のじいちゃん、寺関係の仕事してて霊感あるんよ。 俺がガキの頃よくじいちゃんが「とりつかれた時の対処法とか」「立ち寄ってはいけない場所の判断の仕方」とか色々教わって育ったお陰で、じいちゃんレベルとまではいかないけど、それなりに霊感が培われて育った。 親父はそういうのはぜんぜん分からんっていうんだけどな。 で、あれはたぶん5・6年前、すまん記憶が曖昧で覚えてないんだが、とにかく俺の悪友(結構イケメンでスケベ。だが、面倒見がよく、男女わけ隔てなく好かれるタイプ)... 続きを読む
行方知れず
高校生の頃、いつも喧嘩してた妹がいた。 喧嘩といって他愛もない口げんかで、ある程度言い合ったらどちらかが自然と引く。 ニュースであるような殺傷事件には到底至らないような、軽い喧嘩だった。 高校三年の春だった。 成績が凄く落ちてて、志望校に合格するのが危うかった。 そのせいで親の風当たりがきつく、テストが悪い時なんか、一人だけご飯のおかずがニボシだけ、なんてこともあった。 追い込まれていたからか、妹のいつもの態度がやけにイライラしてくる。 何を言われたかは覚えてないが、カッとなって妹にテレビのリモコンを投げ... 続きを読む
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