風習・因習にまつわる怪異

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遺言

私は中学二年の時、祖父が死にその葬儀に行く事になった。当時、北海道に住んでいた私にとって本州に住んでいる父方の祖父とは会う機会も少なく、また祖父の性格も寡黙で孫を可愛がると言うよりは我が道を行くタイプだったので、あまり身近な存在ではなく正直そんなに悲しい気分にもならなかった。むしろ学校を休んで遠い所へ旅行に行けるくらいの気分だった。 仏教で言う通夜と告別式は神式で行われ、お坊さんが読経を上げるお葬式しか知らなかった私は、平安時代のような恰好の神官が暗闇の中で行う儀式を弟と「なんか格好良いね」などと... 続きを読む

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厄落とし

神社でお札を貰うだけでなく、特に田舎だとそれぞれの地域に伝わっているやり方があるだろうけど、同じような風習があり、私と似たような体験をした人が居るかもしれないので書き込んでみます。 地元(といっても同じ村でもやり方が違うところがあるから一部の地区内)では、厄年(数え年で本厄)の人は節分の日の夕方、家を出て一番最初の四つ辻にお餅を置いて振り返らずに家まで戻ってくる。という風習がある。 守らなくてはいけないきまりがいくつかあった。 ・途中、三叉路等の分かれ道がある場合はなるべく家から一本道... 続きを読む

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神の嫁祭り

小学校5年生の時の話、父の実家は地方の山の中の集落にあった。 あまり親とうまくいってなかった父は大学進学と共に殆ど帰らなくなったそうだ。けれど結婚して私が生まれて少しだけ交流が復活した。といっても2年に一度くらい1泊で帰るくらいで、私自身祖父母の印象は薄い。 小学5年生の時に生まれた弟の顔見せの為に久しぶりに父の郷里へいった。祖父母の自宅に泊まるのだが、父は親戚宅の用事が長引いて帰れなくなったため母と自分、0歳児の弟だけが泊まることになった。その昼から集落は賑やかで祭りがあるとの事だった。私... 続きを読む

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ハカソヤ

ほんの数年前に知った私の母の故郷(四国のド田舎)の習慣の話です。 うちの集落にはハカソヤという女限定の変な習慣があります。ハカソヤにも色々あって、大きく分けてお祝いの言葉に使う場合とお守りのことを指す場合があります。お祝いの言葉のほうは、例えば初潮が来た女の子や恋人が出来た 未婚の女性に「おめでとう」の代わりに言ったりします。 お守りのハカソヤは母親から一人前になった娘に手渡す安産のお守りのことを言います。例えば娘が就職して実家を出て遠方に行くときなんかは必ずもたせます。この場合何をもって一... 続きを読む

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さえがみさん

俺は子どもの頃は超がつくド田舎に住んでいた。山々に囲まれた閑静な農村地帯だった。 その村では一年のうちである月の満月の日の前後一週間は絶対に山に入ってはいけないという決まりがあった。村の子どもたちにはその期間は山の神様が降りてこられる日だからと聞かされていた。その期間は山の入り口のところにある道祖神様(俺らは「さえがみさん」って呼んでた)の祠の前で山から村に入る道に注連縄を張って道祖神様を御祭りしていた。このお祭りの間は子どもだけでなく大人たちも決して山に踏み入ることは許されなかった。 村の... 続きを読む

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